レオン・ヴァルフォードは、15歳の少年だった。彼の特異な能力は、人格を自在に増やすことであった。幼い頃から一緒にいるイマジナリーフレンド「エリオット」は、その才能を最初に理解し、共に成長してきた。二人は友達であり、心の支えでもあった。
しかし、ある惨劇が彼の生活を一変させた。闇から現れた怪物「ソウルイーター」が村を襲い、彼とエリオットは無謀な戦いに挑むことになった。恐怖に包まれた瞬間、レオンは必死でエリオットを守ろうとしたが、次の瞬間、意識が暗転した。
目を覚ましたレオンの周囲は静まり返り、エリオットの姿はどこにもなかった。
何度もエリオットの人格を再現しようとしたがレオンには出来なかった。
「なぜ……人格なら増やせるのに、エリオットだけは戻らない?」
レオンの心に疑念が生まれた。彼はエリオットを取り戻す決意を固め、新たな人格を増やすことを始めた。
最初に生まれたのは、冷静で論理的な性格の「アリス」だった。彼女はレオンに、エリオットを取り戻すためには「ソウルイーター」を討つしかないと言った。ソウルイーターを討てば喰われた魂は器さえあれば戻ると言われているからである。次に現れたのは、無邪気な性格の「テオ」だった。彼はレオンに勇気を与え、仲間と共に立ち向かうべきだと声を高めた。
人格が増えるたび、レオンは新たな感情や思考に触れ、やがて自分を見失う恐怖が芽生え始めた。
「これは本当の魂なのか? それともただの人格なのか?」
異なる人格たちは議論を繰り広げ、時には対立することもあった。その度、レオンは自分自身の存在を問い直す羽目になった。
「エリオットを取り戻せたとしても、それが本物とは限らない……」心中の不安が消えぬまま、レオンは「ソウルイーター」に立ち向かう決意を固めた。彼は仲間たちと共に行動し、数々の戦いを重ね、少しずつ怪物に近づいていった。
運命の戦いが始まる。彼は、自らの魂と無数の人格を賭け、真実の存在を求める旅の一歩を踏み出した。そして、エリオットを取り戻すための道のりは、いまだ続くのであった。自分を賭けた、この命魂の戦いは果たして、どのような結末へと導くのか。レオンの冒険は、今始まったばかりである。