「おい、見えたぞ。」
サブが前方を指さす。
彼らの乗る蟠竜(ばんりゅう)は、空を滑るように飛行しながら王都上空を駆け抜けていた。
下を見下ろせば、戦場と化した王都の光景が広がっている。
瓦礫と炎、逃げ惑う人々、そして……
アレクシス。
その横には、異魚天、レイス、ケンドラの姿もある。
「どうする?」
萌香が冷静に問いかける。
サブは腕を組み、少し考える素振りを見せた。
「……うーん、奇襲でしょ。」
「本当にそれでいいの?」
「いや、俺らにできるのは、サポートっしょ。異魚天とレイスがどんな戦い方をするかは大体わかるし、ケンドラを無力化するのが一番早い。」
「なるほど。」
萌香は蟠竜のたてがみにそっと手を添え、指示を出す。
「降下するわよ。」
蟠竜が翼をたたみ、急降下を始める。
サブは戦闘態勢を整えながら、不敵に笑った。
「さぁ、アレクシス——今度は逃がさねぇぞ。」
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