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僕はいつもタロに恋をしている。
初めて出会ったのは会社の練習室。日本からのスカウト組。しかも日本ではプロダンサー。
いかにもな肩書き、どんな奴が来るのかと思ったら、背が小さく柔和な顔立ちの優しい子だった。人懐こく気が利くよく笑う。
近くて遠い異国の地で、タロはあっという間に溶け込んだ。言葉の壁が邪魔をすることも多く、本当はかなり悩んでいたと思う。でも一生懸命頑張る姿はみんなの共感を呼んだ。
もちろん、僕もその一人。実力でデビューの椅子を勝ち取ったタロと行動を共にした。僕は頑張る人が好きだ。僕も頑張っているから。
一緒に成長できる人が好きだ。前だけを向いて生きていたいから。
練習を繰り返しやっとステージに立つことができても、明日の立場は保証されない生活。
あまりにも不安定な日々は精神を蝕んでいく。
まだうまく話せないタロのサポートを買って出た。メンバーはみんな同じくタロを助けていたけど、自分だけが特別になりたかった。
ありがちなスキンシップ、タロは最初こそ戸惑うことも多かったけれど、最近は慣れてよく僕に従ってくれた。僕が肩を抱けばすんなりと腕に収まり、笑顔を向ければ笑顔を返してくれた。
ただ、誰にでもそうだ。寂しかった。
悲しかった。だからちゃんと言葉で、伝えることにした。