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好きです 付き合ってください ?? スマイルさん応援してます ??
嫌いだったあいつ
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sm__
目覚ましかけとかないと……1時間くらい早く行って勉強でもしとこ。
「んーー、なんであんなに俺に話しかけてくるんだろ」
独り言がこぼれる。寝る前は早く起きないといけない日でも本を読む。
ふと横を見ると話しかけられた時読んでいた「人間失格」があった。
「まだ少ししか読めてない…あいつのせいで」
【自分の幸福の観念と、】
【世のすべての人たちの幸福と観念とが、】
【まるで食いちがっているような不安、】
【自分はその不安のために夜々、】
【転輾し、呻吟し、】
【発狂しかけた事さえあります。】
【自分は、いったい幸福なのでしょうか。】
ふーん……。幸福なのか、ね。
そりゃあ教室の隅で読書してる俺が人に話しかけられることは嬉しい。
でも、なんで嫌なんだ?
苦手な性格だから?
読書を中断されたから?
それとも……?
そんなことを思いながら眠りについた。
ピピピピピ
「ん、もう朝…?」
そういえば、今日は早く学校に行ってみることにしたんだ。
早く支度しないといつも通りになって意味が無くなる。
水で顔を洗い、眠気を覚まし、歯を磨く。
「……寝癖ひど。」
ちょっとくせっ毛なこともあり、直らない。
まぁ、別に自分のことなんてみんなどうとも思ってないしいいかな。
朝はあまりお腹が空かないのでレトルトのスープで済ませる。
あいつが居ないかどうか、少し緊張しながら家の扉を開け確認する。
良かった、居なかった。
いつもより空が暗い感じがする。でもたまにはいいよね。
のんびり歩きながら学校へと向かった。