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※捏造!!
路地裏で独り、佇む彼を見た。
雨の音をかき分け、水が跳ねる音と共に駆け寄る。
「…ッ!凪ちゃん!」
「あら、セラ夫。」
「そんなとこにいたら、ずぶ濡れになっちゃう…!」
「…ふふ、いいじゃないですか、たまには。」
「…っメイク、落ちちゃうよ。」
「…あなたが、そうやって、コートに着いた血を雨で洗い流すように」
「私も、雨でメイクを落としたい日もあるんですよ。」
「…凪ちゃん。」
「なんです?」
「俺は、その顔も、好きだよ。」
「…なら良かった。昔のあなたにお礼を言わなきゃですね。」
「…ごめん、ごめんね、凪ちゃん。」
「…人の顔を見て泣かないでください。」
「私のように、汗も、涙も、作り物の顔も雨に流してしまえばいいんですよ。」