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『ゆーうつなネオン街』〜保坂愛(17)〜
私の家は歌舞伎町だ
昔っから放任主義の母親と飲んだくれの父親。
その2人のもとで育った完璧キュートな子供こそ
私、保坂愛だ
未成年だけど、警察の目から逃げながらお金を稼ぎやっている
「はー…、ゆーうつ」
今日もいつものように夜からパパの相手
そんな毎日に癒しを与えてくれたのはカラスさんだった
黒いフードを被った女の子。名前は教えてくれないからカラスさんって呼んでる
いつも楽しい話をしてくれて嬉しいし、楽しかった
でもある日
「ねぇ…、なんでよ。最低…」
「い、いいじゃん、はぁはぁ、ちょっとだけだったし」
「その結果こうなってるんだよ…!」
たった一度で…
私は全てを失った
土砂降りの中街を駆け抜けていく
汗か涙か雨かわからない液体がほっぺたに流れてくる
その瞬間
まばゆい光が私を襲った
私はなんとか体を引きずり、路地裏に入った
「カラスさん…、来てくれたんだ」
「…」
「私…、多分もう直ぐ死んじゃう…。体の感覚しないもん」
「助けてあげようか」
優しい声だった。もう助からないとわかった人間へ最後の希望を与える神様
「…じゃあさ」
私は咄嗟にゴミダメから包丁を取り出した
「私を殺してよ…、苦しんで、死にたくない、から…」
そう言い私は包丁を渡した
その瞬間、私の人生は終わった
もうこのゆーうつなネオン街からおさらばだね