数日たったある日のことだった。
俺は歯磨きをして、朝ごはんを食べて出かける準備をしていた。
それはもうワクワクしていた。
だって、やっと念願の学校に通えるのだから。
ずっと部屋の中で見てて羨ましかった。
晴天の中遊ぶ人たちが。
雨でも水溜りで遊べることが。
曇りでも暑すぎずいい温度なのが。
風が強くても夏は涼しいのが。
俺にとっては当たり前じゃないものだった。
今日は晴天。
俺の心のようにワクワクしててギラギラだ。
ここ数日間はずっと10分休憩にゾムがチャットで会話してくれた。
ちなみに履歴が残るから先生は分かってたけど
あえて触れずに、気にせず会話してね。と告げられた。
だけど、今日は本人と話せる日。
俺はワクワクして学校へと向かった。
学校に着き、教室のドアを開ける。
そこには数人の生徒たちがいた。
そしてその中にあいつもいた_________
zm「!」
ゾムもいた。しかも転校生全員で
集まって話していた。
zm「おはよー。」
ゾムはそのように話しかけてきた。
いざとなると緊張で話しにくい。
sho「お、おはよ…」
返事をするとゾムは急に口元をニヤリとさせて…
zm「お前がシャオロンかー!!!」
sho「!?」
その瞬間に、俺の心拍数は少し上がる。
相手は俺にバッと抱きついてきた
そいつの目はフードで隠れてあまり見えないのに
キラキラしてるような目だと想像できた。
ちょっと苦しいけど、まぁこれが普通なのかな。
皆も『暑苦しいよー』とか言ってるの、聞いたことあるし。
リモートだから画面越しだけど。
sho「お、おう。シャオロンやで!」
zm「うーわ!想像してたのと全然ちゃうなー!」
sho「えっ、何想像してたの?」
zm「なんかー…何も特徴もなさそうなやつやと!」
こいつ、早々うざい。
すると他の転校生4人が俺のもとに駆け寄ってきて、次々としゃべってくる。
rbr「うわ、めっちゃ痩せてるやん!」
ut「お前ちゃんと飯食ってる?」
shp「すごいっすねー」
ci「………」
何だか、すごく大変だ!
ut「お前好きなもんある?」
rbr「確かに!気になる!」
shp「そーっすね」
ci「あ、俺も!」
zm「な!お前らずるいぞ!俺も知りたい!」
そのようにしてみんなが接してくる。
何だか、嬉しかった。
だから、たくさん喋ってやった。
休憩時間、俺はトイレに行っていた。
すると後ろからついてきてる奴がいた。
sho「…どしたん?」
俺が振り返ってそいつに話しかけると
相手はびっくりした顔で立ち止まった。
そいつは_________
ci「な、なんでも…」
転校生のチーノだった。
sho「…?お前もトイレか?」
そのように問いかけると、黙り続けた。
どうやらトイレじゃなさそうやな。
多分、俺に用があってついてきてるんだろう。
ci「…その、大丈夫…ですか?」
sho「…っえ?」
唐突な言葉に、俺は驚きを隠せなかった。
もしかして”バレてる”んじゃないかって心配で。
怖くて、手が震えた。
それに…なんだか気持ち悪くて______っ?!
sho「う…!げほっ!!ゲホッゲホッ!うぅ…ガハッ!」
ci「?!シャ、シャオロンさん?!」
_______全身が熱かった。
額には汗をかいて咳は止まらなくて。
自分は察した。”発症”してんだと。
あぁ、もうこれはダメなんやと、悟った。
そして、俺の視界は徐々に
ブラックアウトしていった____________
ci視点
俺はシャオロンを担いで保健室に向かった。
とにかく走った。
でもそれはすぐに疲れた。
だって走ったことなんて……
…まぁ、ほぼないから。
でも、地面にしがみついてでも俺は
連れて行かなければ。と思った。
少し息は荒くなっちゃったけど…
大丈夫。俺なら行ける。
連れて行って保健室の先生に見てもらう。
俺は…まぁいいか。
シャオロンはとにかく辛そうに見えて
見るに耐えなかった。
________あの時の、俺と…似ているようで___
「チーノくん」
その時、先生から名前を呼ばれた。
ci「はい?」
「チーノくんはシャオロンくんの秘密、知りたい?」
ci「…」
そうして俺は先生と少しの間喋り合った。