ut視点
俺はみんなに担がれて保健室へとついた。
でもそれは5分くらい前の話。
いつまで経っても、シャオロンは来なかった。
ut「はよ…!どけろよ!」
rbr「ダメや!熱があるのに…!!」
俺は今すぐにでもシャオロンの元へ行きたかった。
今日のあいつは違ったから。
今、いかないと…もう会えない気がしたから。
shp「…大先生」
ut「…なんや。お前も邪魔するんか?ショッピ。」
shp「…いや。シャオさんに会いたいんすよね?」
ut「!」
そいつは、俺の思っていることをわかっていた。
shp「…何かがおかしいのは分かってたんすよ。…ある日の、チーノみたいで…。」
ut「…」
zm「……」
rbr「…」
shp「…行きましょうよ。熱より大切なのは、友達ですから。」
ut「!」
そんなこんなで、俺はシャオロンの元へと向かった。
場所の目処は大体ついている。
俺は屋上へと向かった。
そこにはやっぱりあいつがいた。
ut「シャ、シャオロン…っ!」
sho「な!だ、大先生?!」
rbr「シャオロン!」
zm「シャオロン!?」
shp「…シャオさん」
sho「…みんな。…なんや、大先生、勘付いてたんか?」
ut「…」
その質問に俺は頷く。
でも、なんでここにいるのかはわからない。
ut「…どうしたんや、お前?」
sho「…なんでも。」
その時のシャオロンの顔は、
どこかに消えてしまいそうな、
儚く悲しい笑顔だった。
zm「…教えてや。どうしたん?お前。」
sho「…」
悩ましい顔になったシャオロンは
数秒間だけ間を置いて話し始めた。
sho「…なんや、教えないって思ってたのにな…」
sho「…ええよ、話したる。」
そうしてシャオロンは話し始める。
sho「…俺、もう少しで死ぬんよ。」
その瞬間、俺の顔は青ざめたと思う。
でも、俺たちに返事をさせないで話を続ける。
sho「余命ってやつやな。俺、薬はもらってた。治療も、まぁ、少し?っていうんかな。してもらってたよ。」
sho「…でも、だんだん何してんだろうと思ってきてた。」
sho「なんで死ぬのが怖いんだ。って。」
ut「っ……」
…余命の話なんて、俺は話されたことなかった。
…なんで、隠したんだよ。
なんでっ…嘘ついたんだよ…。
sho「…そう言えば、ロボロの質問に答えてなかったな。」
rbr「っえ…?」
sho「好きな漢字。」
rbr「いや、今はどうでも______!」
sho「俺も『天』やで。」
rbr「…っ」
ロボロの返事も無視して話す。
多分、止めることはできないんやろな。
sho「その時、運命やなって思った。もちろん、ゾムが話してきた時も」
zm「っえ」
sho「うれしかったよ。これが友情か。って。」
sho「でも、ダメだったな。結局、俺がわからなくなっちゃった。」
zm「…っ」
ゾムは、悲しげな顔をした。
sho「ショッピくんも、憧れだったな」
shp「お、俺が…?」
sho「人の変化に気づける優しいやつで人の気を使える。俺なんて、何もできん。」
shp「…そんなこと……っ。」
ショッピは顔を俯ける。
sho「…俺は、お前が、大先生が輝いて見えた。」
ut「…」
sho「友達も多いし、おもろいし、変なことするし、優しいし……俺に足りないものをお前は持ってた。」
ut「…そうか。」
俺は、妥当な返事ができなかった。
sho「…大丈夫や、チーノ帰ってくるし。俺なんておらんくても、元気にできるやろ?お前らなら。」
ut「な…っ?!急に何言って…!」
rbr「お前は、まだここにおるやろ?」
shp「チーノが帰ってきてもみんなで一緒に…」
zm「遊ぶんやろ…?」
sho「…さっき言ったやろ?余命があるねんて。」
…何も言葉にできなかった。
ut「…自殺か?」
sho「………」
そこでシャオロンは黙った。
ut「聞いてんねん!!!!」
sho「…まぁ、せやな。」
ut「…はーあ。うざっ!!!」
sho「ふえ…っ?!」
俺がそのようにいうとみんながびっくりした顔になっていた。
ut「勝手に1人で決めつけて!!余命?そんなの関係ねえだろうがよ!みんな、お前のためにベストを尽くしてきたんやぞ!」
ut「心配されたくないとか、いらないんや!そういうの!逆に、こっちが心配したいわ!!」
rbr「…っせやぞ!」
sho「!」
rbr「アホが!お前が手紙をくれた時、マブダチって言ったのはそっちやろが!なんでお前から消えようとするんや!」
sho「…ロボロ」
shp「…こっちもですよ!」
sho「…」
shp「俺はともかく!チーノと約束したんですよね?!俺を笑顔にするから、チーノも笑顔で帰ってこいって!約束ですから、果たしてください!」
sho「…ショッピ」
zm「ほんまや!煽り魔がよ!」
sho「…!」
zm「俺と話したくて学校来たくせに照れ隠しすんな!俺ももっと話したいんや!!!!」
sho「…っ、ゾム…」
シャオロンは確かに、そんな過去があったら
何回病んでもおかしくない。
でも、何回でも何十回でも何百回でもいい。
その分、俺らが止めてみるから。
だから_________
ut「…まだ、頑張ろうや。」
sho「…うん。…手術、怖くて断ってたんだけど…やってみようかな。」
zm「怖いことなんて考えんくてええで!手術が終わったこと考えたら、お前にとっては手術なんてよゆーのよっちゃんやろ!」
sho「…!…せやな!」
rbr「あ、それと_________」
sho「ん?」
rbr「えっと…今日、シャオロンの誕生日やって大先生から聞いたから…はい、これ。」
sho「!…ヘアピン?」
rbr「い、嫌ならええで!」
sho「ふへへ…ありがとっ!」
rbr「?!///い、いや、え、ええで!//」
shp「あw照れてる?w」
rbr「うっせーショッピ!!////」
shp「はははははははは!!!」
sho「…だいせんせ」
ut「んぁ?」
sho「…ふふんっ、ありがとーなっ!」
ut「!!!」
ut「…はっ、どーも。」
そうして俺たちは、いつものように過ごしていた。
月日が流れて、1ヶ月。
sho「おはよー!!!」
ut「おはよーさん。今日元気やな?」
シャオロンはなぜか今日はもの凄い笑顔だ。
ちなみに、あの後シャオロンは病気を治し、
今でも元気に…いや、前より元気に
生きている。
sho「聞いて驚くなよ?!今日でチーノが帰ってくるんやって!」
ut「え?!もう1ヶ月経ったん?!」
sho「らしいで!」
何と、今日でチーノが帰ってくるらしい。
俺はそれに驚きを隠せなかった。
rbr「お前ら廊下まで声響いとるぞ…」
zm「なーなー!何話しとん?!」
ロボロとゾムが登校してきた。
ut「チーノ、帰ってくるらしいぞ!」
zm「っえ?!まじ?!?!」
rbr「うええええええええ?!?!」
sho「お前が1番うるさいわ。」
そのようにシャオロンが突っ込んだ後、
みんなで笑った。
shp「おはよーございます。っあ、そういえば今日チーノ帰ってきますよね?」
そして最後にショッピくんが登校してきた。
やはり、ショッピはチーノが帰ってくる日が
分かっていたらしい。
それもそうだろう。結構前からチーノに何をしようか話しているときに、
1番楽しそうにしていたのはショッピだから。
sho「せやぞ!」
ut「楽しみやな!」
zm「どうする?包帯ぐるぐる巻きで帰ってきたら。」
rbr「いや悪化してるやん。」
shp「それはキレるな。」
そのように会話を交わす。
???「えっと…お、おはよーございます…!」
扉の方へ向くと、そこには人がいた。
それは________
shp「!…チーノ?」
ci「えっと…久しぶり」
そこに立っていたのは怪我一つなく、
包帯もぐるぐる巻きになっていないチーノだった。
sho「…お前、元気か?」
ci「…んふふ。はい!もうバチコリ!!!」
そうチーノが言った途端、みんなはチーノに向かって走り出して……
ut「うわー!チーノー!」
ci「うわわわw」
rbr「お前よー頑張ったなー!!!!」
ci「近い近いww」
zm「心配しとったんやぞ!」
ci「あははははwすみませんww」
ci「…っ」
そうしてチーノは急にショッピへと向かう。
ci「…」
shp「おい来たからにはなんか喋ろよw」
ci「…笑顔やな。」
shp「…え?」
ci「…んふふ!ショッピ、元気やん!笑顔やん!」
sho「そらせやろ。」
そうしてシャオロンがチーノの肩にポンと
手を置く。
sho「みんなでみんなを笑顔にしてやったわ。」
ci「!!!…はは、そんなに来る時に何話そうとか、悩む必要なかったですね!!!」
shp「悩んでたん?お前らしいなw」
ci「はぁ?!笑うなよー!w」
そうして俺たちはいつもに増してうるさく、
元気に喋った。
確かにこの1ヶ月でみんなは笑顔になってた。
でも、せやね。
こんなに元気な仲間が揃ったんなら、
まだまだ笑顔になりそーやな。
sho「!大先生も来いよ!」
そうしてシャオロンに呼ばれる。
確かに、これから辛いことに出会うかもしれない。
でも、こいつらとおったら……
ut「うっせー!いくわ!俺も会話にまぜろよな!」
何もかも、笑顔になると思う。
『手を差し伸べて』完
コメント
3件
あの紙つける理由素敵すぎる……✨