「ちょっと!お兄ちゃん!
休みだからって、ダラダラしてないで家のこと手伝ってよ!」
古い木造アパートの一室に、のじこの声が響き渡る。
累(るい)はそれを振り払うように、手をひらひらと振った
「おい…たまにはゆっくりさせてくれよ。
授業に出られなかった分を取り戻すために、
毎日くたくたになるまで勉強してんだから…」
「…ふーん。自分で望んで犯罪者になったくせに、
それを言い訳に使うんだ…ふーん」
「いや、別にそういうわけじゃ…」
「私がどれだけ苦労してたか、やっぱり分かってないよね…ふーん」
「やっ…それは、その…なんていうかごめんなさい!」
「わかればよろしい!」
(のじこ…強くなったな)
築50年を越える古びたアパートでの暮らしを再開させた累は、
法務省の管理下にあるフリースクールに通い、
少しずつではあるが日常を取り戻しつつあった。
だが、時間が経つに。。。