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政治的意図はございません
今年も夏がやって来た。
「暑いな…」
そう言いながらも、よく着ている軍服は脱がないものだ。
「着替えれば良いじゃないか。長袖はきついだろ」
「そうは言ってもなあ、あいつはこの服じゃないと俺らを見つけきれないだろ」
そう苦笑いする男の横に腰掛ける。
俺は言わゆる幽霊という物だ。こちらから他国は見えるが、同類で無ければこちらは見えない。
「…なあナチ」
「どうした」
「独逸の顔はもう見てきたか?」
「勿論。そう言うお前こそまだ弟の顔も見てないんじゃないのか」
「はは、感が鋭くて困るな。」
「…それより、あいつはまだ来ないのか」
「さあ。もう直ぐ来ると思うが」
そんな事を話していた矢先、
「ナチー!日帝ー!」
「遅いぞイタリア。」
「ごめんってー、歩いてる途中にベッラ見つけちゃってさ」
反省すら感じないがまあいいか。
「ねーねー、僕はもうあの子達見てきたけど二人はまだなの?」
「俺は行ったが日帝がまだだな」
「じゃあ今行こうよ!」
「はあ…まあやる事も無いし良いが」
「やったー!」
やはりこんなにも大きな建物だらけだと少し緊張するな。現代技術が凄いってのもあるから別に良いのだが。
「あ、いたよ!」
イタリアが指を指す方向に目を向けると、たった今会議が終わったであろう現代枢軸の姿が見えた。
「旧でも現でもイタリアはそのままなんだな。」
「ねーナチ、それどういう意味?」
「まあまあ…」
…あれが日本か。少し目の下にクマが見えるが、ちゃんと休んでいるのだろうか。
「二人とも、ちょっとあそこのカフェ寄らない?僕喉乾いた!」
「はいはい」
「待ってくれ、今行く」
去り際、「自分」の後ろ姿に向かって手を振った。未来まで頑張ってくれよ。
…こちらを少し見ていた気がするのは気の所為か。