冷たい風が吹き抜ける廃工場。鉄骨の軋む音と、雨の音だけが響いている。
日哉は微笑みながら、髪を指で遊ばせていた。そのタレ目には、狂気の光が宿っている。
「兄貴の大切なお友達が、揃って来てくれるなんてねぇ……!」
霧島蓮はスマホを握りしめながら、一歩前へ出る。
「お前、何企んでんだ、日哉。」
結那はナイフをくるりと回しながら、冷たい声を放つ。
「……どっちにしろ、ここであんたを始末する。それだけ。」
日哉は笑う。だが、その笑いの奥にあるのは、戦場に立つ者の興奮だ。
「ははっ……いいねぇ。キリッとした顔してるじゃん、結那ちゃん?」
結那の目が細まる。
「呼ぶな。」
キィィィィン……!!
その瞬間、結那がナイフを投げた。ナイフは空気を切り裂き、日哉の首を狙う。
だが——
カンッ!!
日哉の刀が一閃。ナイフは弾かれ、コンクリートに突き刺さる。
「速い……!!」
蓮が思わず呟く。
日哉はゆっくりと刀を構える。その姿は、役者のようだった。
「ショータイムだ。」
——戦いが始まる。
霧島は異能を解放する。
「——来い、アルファ!!」
緑い狼のような姿が、霧島の背後に顕現する。
結那はナイフを構え直し、低い姿勢から一気に駆け出す。
日哉は笑う。
「……ようこそ、地獄へ。」
コメント
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いやよ!!結那!! 貴方変身出来るでしょう!? …あ,ツイカデ(( 覚醒したらオッドアイって事で(( ((ツイデニ 元吉田様の弟子…?ミタイナモノデ((