兄弟設定○
👑 兄
🍵 弟
───────────────
🍵)兄さん、なに、やってるの?
👑)、なんも、してないよ
🍵)そっ、か…
嘘だ。
普段ベランダに出ることなんてないから。
ベランダ、普段開けさせないし。
👑)空、見たくなっちゃって、
嘘だ。
みことちゃんは夜が嫌いなんだから。
暗いと、次なにが起こるかわからないからって。
🍵)けど、ほら
🍵)夜遅いし、風邪ひいちゃうから中はいろ…?
👑)…
👑)いや、
🍵)ぇ、
俺は驚いたんだ。
はじめてだから。
みことちゃんがここで拒否してくることはこれまでなかった。
👑)風邪、ひきたいから、
🍵)え、?
🍵)急に、どうしたの?
👑)風邪、ひいたらさ、
👑)すちくんが、前みたいに
👑)今じゃなくて、前みたいに看病してくれるかな、て、
『今じゃなくて、前みたいに』
そうきいて、俺は苦しくなった
そんなの、
いつだってやってあげるのに、
今は…
🍵)そんなやり方で風邪ひいたって、
🍵)俺は看病しないよ〜?
👑)え、それは、ぃゃ…
🍵)じゃあはいりな…
👑)っ、
👑)俺は、こんなの、信じないからっ!
…
久しぶりに聞いたよね
みことちゃんの大きな声
それは、俺もだよ。
俺も信じたくないよ、
だって、俺らは兄弟だと思って
生きてきた訳じゃないからね
このときの俺らはふたりとも中学2年生で
大人ではない、
俺らが信じたくないことは、
大人たちはずっと知ってた
なのに、教えてくれなかった。
だから、俺らは苦しくなっていっただけだった
理由なんて、かんたんで
俺らが望んでいたことは、
“兄弟だから”、
“この世の中だから”
できなかったこと
けど、
🍵)兄さんがこんなところで風邪ひいてたら
🍵)望みを叶えるどころでもないでしょう?
👑)たし、か、に?
🍵)だから、ほら
そういって俺は手を彼に差し伸べた、
けど、
彼に差し伸べた手には、どんな返事も帰ってこなかった。
それどころか、みことちゃんは後ろへ下がっていく一方で、
🍵)み、こちゃ、?
そして、
俺の次の発言が来る前に、
彼の声が聞こえる前に、
彼の背中に、少し小さな、羽がついているのが
見えて、
次の瞬間、
俺の視界は
だんだんと、歪んでいった
───────────────
🍵)っ、
🍵)は、ぁ、、
🍵)ぁ、ゆめ…?
そう、
これ数年前のとある兄弟のお話。
ところで、今は弟しか見えないようだが、兄は先にいってしまったのか、
もう、姿が見えない
などと思ってる間に弟も準備が終わったらしく、
🍵)兄さん、、みこと、ちゃん、
🍵)行って、きます
“行ってらっしゃい”
“いらっしゃい”
とある家の
ベランダに、
あざやかな緑の羽と
少し暗くなった黄色の羽が
落ちていた。
しかしその羽が今、
どこにいったのかは
誰も、
知らない。
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