この作品はいかがでしたか?
200
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「俺って、一体_____」
何者なんだ?
「味方最大の脅威」
「化け物」
「殺意にとり憑かれた悪魔」
「怪物」
人々は俺を化け物のように扱う。
ある人は言った
「お前のその腕をへし折らなければ、人が傷付く」
「何故なのです?」
「お前のその力は人々を脅かす”脅威”になるだろう」
人々を脅かす、最悪の存在。それが俺だと彼は言った。
「確かにそうなのかも知れない」
殺した人の顔なんざ一々覚えちゃいない。殺すことは、俺にとって苦行。
殺した人々の怨念が俺を掴み離さない。前に進めない、それでも、それでも、それでも俺は殺しを強いられ、殺しがなければ居場所がない。
だって、俺は脅威なんだから
みんな、それを望んでるんだ
「ね、そうでしょ?」
故に、俺は脅威____
「可愛い」
「カッコよすぎ」
「流石私の王子様♡」
「さすゾム」
「やっぱりゾムさんしか勝たん」
人々は、俺を神のように崇める。
まるで俺は別格の人間だとでも言うかのように
ある人は言った。
「ゾムさんはゾムさんだから」
「俺が、俺?」
「そう、ゾムという存在が人々の中から消えない限りお前は輝き続けるの」
「だって、お前は”ゾム”なんだから」
そうなのかなぁ
人々の目に映っているのは俺ではなくゾムという存在。
ゾムはカッコよくて、可愛いくて、PSも高くて、人気で、皆んなに愛されて、憧れられて
俺にないものばかりもっている。
「狡いなぁ」
俺はお前でお前は俺の筈なのに
ゾムという存在に嫉妬し続ける。
PSが高いのはゾムだから
ゾムだから、ゾムだから
それでも、皆んなは”ゾム”を求めるから
「ね、そうでしょ…??」
故に、俺はゾム____
俺には幾つもの存在がある。
では誰が俺で、何が俺なのか?
「俺って、一体_____」
何者なんだ?
「お前はお前だよ」
「….え」
「お前がお前で居るのに理由なんて要らないだろ?」
「PSが高いのはゾムだからなんかじゃない、お前が裏で努力をしているから」
「脅威なのはお前が強いからじゃない、人々がお前を恐れたから」
「でも、俺はゾムで…」
「ゾムだからなんだ?ゾムだからお前が神様だってのか?」
「…」
「…いいか、ゾム」
「お前は"ただの人間"だ」
その言葉に、どれだけ救われたことか
「ゾムでも脅威でもなんでもないんだ」
「だから、お前は自分自身を否定し続けて迷うことなんてないんだ」
「ありがとう、みんな」
俺は、俺なんだ____
これは俺だけに限った話ではない。
画面の前の貴方も、○○だからとレッテルを貼られて自分自身を見失う事があるかも知れない。あったかも知れない。
それでも貴方には自分自身を見失わないで欲しい。
○○だから××だとかそんなこと、気にしなくて良い
貴方は貴方だから、それ以外の何者でもないから
貴方は自分自身を殺さないで。
自分自身を見失った俺みたいにならないで。
もし見失ったとしても、貴方を救ってくれる人がいるから。
独りじゃないから、貴方は救われるべき人だから。
どうか、幸せになってね。
コメント
6件
凄い好きです!最近見た中で上位に入ってしまった.......ブクマ失礼します!
やっぱねむねき天才っすわ🎓 神です。えーと眠い神。もう好き🤗