この作品はいかがでしたか?
303
この作品はいかがでしたか?
303
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ピピピピッ
スマホのアラームが鳴る。私の幸せな夢を壊すかのように邪魔してくる。これも2回目。流石に3度寝はやばいだろうと、私は起き上がり、愛用のメガネをつける。
赫「…はぁ…、朝か。」
ベットから降りて、目に入ったぬいぐるみを抱きしめる。
赫「ん~…お前が私の癒しだよ~」
この前、桃と紫からもらったぬいぐるみだ。見た目が可愛く、つい抱きしめたくなる。ぬいぐるみの目はピンク色と紫色のオッドアイで、赤色の布、可愛い猫耳がたまらなく好きだ。
時計をふと見ると、6時半を回っている。髪もセットしなきゃいけないから、私は急いで制服に着替えた。
赫「おはよう。姉さん。」
翠「ん、おはよう」
姉は今日も顔が良かった。微笑む顔が私の胸に刺さる。こんな姉がいる嬉しさと少し嫉妬心のある羨ましさ。二つの感情が混じり合い、少し複雑な気持ちだ。
翠「ん?どおしたの?」
首を傾げる姉、私は慌てて「何でもない」と言い訳した。
翠「そっか?あ、今日の朝ごはんはサンドイッチだよ。」
そう言いながらテーブルにハムとレタスが挟んだサンドイッチを置く。
赫「美味しそう…。いただきます。」
一口だけ、サンドイッチを私の口に入れると、それはまぁ美味しい。見た目だけではなく、味も完璧だ。
赫「美味しいっ♡」
私が頬に手を当て、そう呟くと、姉は嬉しそうに笑い、 「良かった~」と言った。
赫「行ってきまーす。」
玄関のドアを開けて、私は履き慣れた茜色のスニーカーで、学校へと向かった。
「赫ちゃーーん!」
何処からか、聞き覚えのある声が聞こえた。
後ろを振り向くと、黄が微笑み、手を振りながら走ってくる。その微笑みはまるで風に揺れるたんぽぽのようだった。
赫「んふ、おはよう。」
黄「おはよう!ウチね!今日早起きできたんよ!凄ない!?」
嬉しそうに話す黄は本当に可愛い。正直言って彼氏さんが少し羨ましい。こんなに可愛い子が彼女だなんて、幸せ者だろう。
赫「ん、凄いよ。偉い ゞ 」
そう言いながら、黄の頭を撫でると、黄は一瞬驚いた顔をしたが、嬉しそうに微笑んだ。
黄「赫ちゃんって、あの2人と付き合ってるの?」
赫「だ、誰の話し?」
まさかと思った。正直言って聞きたくない。けど、私は口を開いて言った。
黄「ん?あの前髪さんとアホ毛さん!」
赫「…ゑ」