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【 春の季節に酔いたくて 】
第一章 記憶 (1)
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z m side .
『 桃瀬 豚平 って 言います 。 』
まるで春を具現化したかのような男は、そう名乗った。
ふんわりと笑みを浮かべ、鴇色が弧を描く。
春に咲くどの花よりも、綺麗だと思った。
『 えぇと … キミは ? 』
暫く見蕩れていたせいか、桃瀬が困ったように首を傾げる。
「 … ゾム … 」
思っていたよりも掠れた声が出て、自分でも吃驚した。
『 ふ、はは … w 』
『 声 やばいなぁ w 』
さっきの取って付けたような笑顔とは違う。
でも、やっぱり優しい笑顔。
── こんな風に 笑うんや 。
桃瀬の笑顔を、二回も見れた。
それだけで自然と頬が緩んだ。
『 ナースコール 押すな ? 』
「 ぉん … 」
── ありがとう 。
楽に話せるようになったら、伝えよう。
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To be continued .
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コメント
1件
フリガナです。 ・具現化(ぐげんか) ・鴇色(ときいろ) ・暫(しばら)く ・見蕩(みと)れ ・困惑(こんわく) ・掠(かす)れた ・吃驚(びっくり) 閲覧ありがとうございました。