この作品はいかがでしたか?
102
この作品はいかがでしたか?
102
トントン(ドアをノックする音)
「失礼します。1年4組月島蛍です…あれ」
「いないよね…先生」
保健室についたのはいいけど、
先生が校内の見回りで不在のようだった。
「とりあえず横になってた方がいいよ。こっちのベッドとかどう?」
「ありがとう」
「どういたしまして!」
そう言うと、奥の方のベットに僕を
支えながらゆっくり連れて行ってくれた。
ああ、あたたかい。こうしていると、
山口の手の感触がよく伝わってくる。
僕をベットの上にゆっくり座らせると、
彼が急ぐ様に口をはしらせた。
「俺先生に、遅れるって言ってくるね、あと何か欲しいものは…」
「待って………まだ、行かないでッ」
「ツッキー…!」
僕が彼の手を握ると
今の様子がだいぶ吃驚したようで、
山口の顔が感覚的に赤くなる。
かわいい。
この空間にずっといたい、そう 思うほど
「もっと山口と一緒に居たい…だめ?」
僕は普段慣れもしないおねだりを
彼に訊いてみた。
「…い、だめじゃないよっ!俺もツッキーと一緒に居たい、もんっ」
ぎゅぎゅっと握った手は
暖かみがあって、緊張感もあって
とても新鮮だった。
「前にもあったよねこーゆうことっ」
「え、ああーあの時は、山口が体調悪くしたんだよね」
「そうそうっあの時ツッキーがとなりに居てくれたから、安心したんだよ!」
これを言うと彼は手を握ったまま、
何かを言いたげに僕の方に近づいて
目を少し細めこう言った。
「だから次は…」
「俺がツッキーを守る番だねっ」
「っ、!/////」
彼はやさしく微笑んだ。
なに、なんなの…?
まさか君から言われる日が 来るなんて…
ついさっきの出来事に動揺して
僕は握っていた左手をパッと離した。
「…」
沈黙がつづく室内の温度感。
この気持ちは、なんだろう。
胸がトクトクする、心が昂る
感じた事ない、
今までこれをずっと待っていたような…
「ねえ、山口」
「ん、なに?ツッキー…((」
………チュッ
「んっっ///!?」
「山口ッっ」
「つ、ツッキーっッ!??」
僕は今日、初めて幼馴染みにふれた。
まさかふれる日が来るとは、
思いもしなかったけど
今だけはありのままでいれた気がする。
僕は山口が好きだ。
幼馴染みだからの型に
はまらないくらい大好きだ。
でも、普通の幼馴染みの距離感は難しくて、
どうしたらいいか分からない、
「山口は僕のこと、好き…?」
おそるおそる、彼に直接聞いてみた。
なんて返してくるかわからない、だけど
言わないで後悔するよりは、
言ってから後悔した方がまだマシだ。
嫌われたかもしれない、引かれたかもしれない。でももうそれでもいい、
僕はこの気持ちを抑えられそうにないから
君にひそかに向けた愛を伝えたいから…
「俺は…」
さあ、来る…?
ツッキーのこと、大好きだよっ
「///、!…… 僕も愛してる。ねぇ、山口…
僕と付き合ってください。」
〜〜〜
僕はすごく幸せ者だ。
だって優しい幼馴染みが
隣に居てくれる。
「返事は待ってるから」
「うん!」
「看病してくれてありがとう。この恩は必ず…」
「ねぇツッキー?」
「?、なに?」
「さっきの返事なんだけど…」
「!!!」
「これからたくさん与えて返していこうよ、ツッキー!」
「っ!それってもしかして…」
「もしかしての、だよっ、」
これからよろしくお願いします。
「っ!!」
「これからも、だったかな〜あははっ」
「今の言葉忘れないから」
「うん!ずっと覚えててね、ツッキー!」
・0日目、終了
第3話につづく。
コメント
1件
ヤバいほのぼのすぎる...やっぱ月山はほのぼのだな...