リクエストで貰ったオメガバ書いていきます!リクエストありがとうございます⸜(*ˊᗜˋ*)⸝
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この世界には第二の性、というものがある。なんでも出来るやつに多いのがα、 平凡なのがβ、αと番になれるΩ。
その三つが第二の性。まぁ、俺なんかはβだと思うけど。
そんな呑気なことを思っていた矢先、この前受けた検査結果が返ってきた。そこにはなんと、Ωの表記が……
「……はぁ?!俺がオ、」
オメガ?!と言いかけたところで口を押さえた。同じ部屋にランスがいることをすっかり忘れていた。幸い、ランスは気づいていないようだ。第二の性を人にペラペラ喋るのはあまり良しとされていない。
魔法不全者ほどでは無いが、Ωへの差別もまだ残っている。αなどは言ってもさほど影響はないが、Ωとなると話は別だ。Ωは一番下の階級、みたいな印象が根深く言ってもなんのメリットはない。
ふと、ランスを見るとランスは診断結果を見てもいつもの澄ました顔を変えず、結果の書類を机にしまった。きっとランスはαだったのだろう。あいつはなんでも出来るやつだから。
もし、ランスと番になったら、という想像が頭をよぎった。そうなったらどうしよう、という不安も募ったは募ったが、それとは逆に番になるならランスがいい、と思っている自分がいることに気づいてしまった。
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結果がわかってから一ヶ月経ったか経っていないか、ぐらいの頃とうとう来てしまった。発情期、いわゆるヒートというやつだ。その日は違和感がして、朝早く目が覚め顔が火照り息が荒くなって気づいた。
でも今は便利な時代だ。まだ、Ωを自覚してすぐはヒートはまだ軽い。軽いヒートなら薬で完全に抑制できる。
「ゔ、この薬結構苦……」
薬の持続時間は長くて一日、でも早くて夕方には切れてしまうと先生は言っていた。
ヒートはだいたい三ヶ月に一回。一週間持ちこたえれば次来るのは三ヶ月後、と思うと少し気が楽だ。
そんなこんなで、ランスにバレることなく無事一週間をやり遂げた。バレなかったことへの安堵と、これがまた三ヶ月後あるのか……と思うと少し億劫な気持ちだった。最近まで気楽に考えられていたのに。
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次のヒートも三ヶ月後の同じ週ぐらいに来るのだろう、そう思っていた。なのでそれに合わせて薬をまた貰いに行けば良いと考えていた。そんなこと考えずに、すぐ貰いに行けばよかったんだ。
二回目のヒートが予定していた周期より早まって来てしまったのだ。俺はあぁ、終わった……と思った。今は夜の就寝前。
ランスは先生に用事があるから、と部屋にはいない。ランスが居ないうちに薬を貰いに行こう。そう思ったが、ベットから起き上がろうとたった瞬間腰が抜け、立つことが出来なかった。這いつくばってでも行こうと思ったが、それも叶わずすぐ近くのランスのベットの匂いにあてられランスの残り香を吸うことしかできなかった。
「うぅ、ランス……早く、」
そうランスを求めた瞬間、ドアの開く音が遠く聞こえた。帰って来てしまったのだ。番でもないかもしれない、俺なんかに勝手に匂いを嗅がれてきっと嫌だろう。そう思うとランスの方を向けなくて、代わりに涙が溢れそうになるだけだった。でも、これがランスと関わるのは最後になるかもしれない、そう思いランスの方をゆっくりと振り向いた。
「っ、この匂い、ドットお前Ωだったのか」
ランスは俺のフェロモンの匂いが濃かったらしく、ローブを鼻に当て俺の方を見ていた。ランスは俺のフェロモンにすっかりあてられ頬が紅潮していた。何か言葉を発しようとしたけれど、何を言えばいいのか分からずランス、と名前を呼ぶだけで精一杯だった。
「……っドット」
ランスは俺の名前を呼ぶと強く抱き締めてきた。ランスの匂いがより一層強くなって目の前がクラクラする感覚だった。
「こんなときに言うつもりじゃなかったんだ、でも今言わないと後悔しそうだから。ドット、俺はお前が好きだ、ずっと前から。」
そう耳元で言われ、前まではランスの声なんか聞いても何ともなかったのに、今では落ち着ける声でもあり、ドキドキするような声でもあった。
「ランス、俺も好き。首、噛んでよ」
気づくと勝手にそうねだっていた。自分でもそんなに甘い声が出せるのかと驚いた。
“ガリッ”と鈍い音がすると同時に項に鋭い痛みと快感を感じた。ランスの吐息が項や耳にかかってくすぐったかった。
ついに、ランスと番になったんだ、と嬉しさと戸惑いとを抱え番になって初めての夜を過ごした。 それでも嬉しさで少しだけ涙が溢れた。番になれたのがランスで良かった、心からそう思った。
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正直、ドットがΩなのではと薄々勘づいていた。ドットの薬で抑えていても、漏れ出すフェロモンはきっと俺だけが感じ取っていたと思う。それはきっと運命やら相性やらが関わっているのかもしれない。
ドットを襲わないよう耐えるのが一番辛かった。でも、あのとき必死に俺の名前を呼んでいたドットを見てドットの隣は俺でいいんだと思わせてくれた。
ドットへの告白はもっと、ちゃんとした場面で伝えるべきだったんだろう。それでもあのとき流れるように伝えてしまったのは、ドットがΩということがバレてほかのぽっと出のヤツに取られたくなかったから、という何とも子供っぽいことを考えてしまった。
でもこれからはそんな心配はしなくて済むと、安心とドットへの独占欲とが俺の中で渦巻いていた。
コメント
7件
なんか最近ドット様愛が強くなりまして監禁したいなぐらいまでいってます
うっっっっっっっわ、もう最高。ランドトのオメガバ+雨夜さんか書いたとかもう神コラボ👍○ねる...