身体が重い、お腹が空いた、光君が怖い
コンコンコン
光「入るよ?」
京士郎「……」
光「なんで返事してくれないの!」
京士郎「ごめんなさいごめんなさい」
京士郎「そんな怯えないでよ。僕なんか酷い事した?」
してるだろ、毎日洗脳に近い刷り込み、部屋から出さず、食事もろくに与えない、窓の無い部屋で電気すら止めて、光君以外と接触させない。これでどうして何もしてないと言えるんだ。
京士郎「ごめんなさいもう許して……なんでもするから」
光「許す?僕は怒ってないよ!」
京士郎「じゃあ!」
光「でもダメ。だってまだ何も分かってないでしょ?だから今もごめんなさいを連呼するだけ」
京士郎「もう……もうわかんない僕どうしたらいい?」
光「それは、自分で考えないとね。この調子だと学校も辞めないといけないね。かれこれ2週間?くらいに行けてないしね!それにこんなに痩せちゃって可哀想……さすがにご飯少なかったね。でも増やしてあげないこれはお仕置きだからね!」
そんなある日、ドアの鍵がかかっていない事に気がついた。おそらく光君がかけ忘れたのだろう。僕は決死の覚悟とふらつく脚で部屋の外に出た。それが光君の思惑だとも知らずに。
光「やあ、元気してる!って言ってもさっきぶりだけど。」
京士郎「光君……」
僕はどうすることもできなかった。
光「どうして勝手に出てきたの?決まりは伝えてるよね」
京士郎「ごめんなさいごめんなさい」
光「どうして謝るの?」
京士郎「だって……もう何が悪いのか分からなくて、もう辛くて苦しくて」
涙が止まらない理不尽には慣れているはずなのに
光「そうかそうか、可哀想に。じゃあ部屋に戻ろうか」
京士郎「もうやだ……お願い許して……何が悪かったの?直すからだからもう……」
光「もう何?どうして欲しいの?」
京士郎「……」
光「欲が何も無いならずっとあの部屋でもいいよね」
京士郎「違くて違くて」
欲が無いわけじゃない。ここで答えを間違えたら、一生閉じ込められてしまう気がして怖くて言葉が選べない。
光「話なら部屋で聞くよ」
京士郎「やだ……許して謝るから……ごめんなさいごめんなさい……」
光「何を謝ってるの?悪いことなんて何もしてないんでしょ?本当何も分かってないね。僕が言いたいのは、そういうとこ治せってこと」
京士郎「⁇」
わけがわからない。恐怖で支配しておいてそんなこと言うなんて……
光「とりあえずそういうとこが治らないならこの部屋からは出さない。さっ部屋に戻って!」
x日後
コンコンコン
⁇?「入るぞ」
いつもより声が低い、まあなんでもいいけど
太我(兄)「やあ、久しぶりだな京士郎!それにしても、本当に真っ暗で何もない部屋だな!」
京士郎「兄さん!助けて……ここから出して……僕もう限界……」
我太「うむ!それは無理だ!なんせ相手は光君だからな!それに俺は、明日のフライトで日本をでる。それを光君に伝えに来たついでだ!」
京士郎「そんな……」
我太「じゃあな!」