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警察庁 捜査一課。
そこは、警察庁の花形とも呼ばれていた。一課では、とても優秀な刑事が集められて、日々事件解決に向けて努力している。
だが、優秀な人材は、数少ない。日々人でも足りていないので、警察庁は新たな手に出た。
二流一課。
正式名称:警察庁 捜査一課補助班
人手の足りない一課の捜査を手伝うため特別に作られた班。優秀ではあるが、一課に実力には満たない実質二流の刑事が集められてできた班。
もちろん、手柄は一課のもになる。あくまで、補助のためだけの班だからだ。そのため、手伝ってもらっている側から度々見下されている。
可哀想だと思うか?
捜査一課の名前がついているだけでも誇らしい。
自分の信念や正義を折り曲げる必要がない。
そして何より、事実上刑事であるという嬉しさ。
それらを好んでここにいるというものも少なくはない。
例にこの人、神原爽志。刑事になった時から二流一課に所属していて、今では班長になっている。周りからの信頼や尊敬も厚く、笑顔のよく似合う人だ。
いい人だなあ。
心涼が来てから2日が経ってそう思い始めた。2日でも色々とわかってくる物も多い。
現在の二流一課は心涼を入れて、計六人。
「心涼ちゃん!」若く、茶髪の男が近づく。
松原陽。まだ二十七という若さだが仕事の腕は良い。そしてモテる。めっちゃモテる。いわゆる「犬系男子」というものだ。
そのためか、心涼も彼を犬と呼んでいる。もちろん本人は知らない。ちなみに、心涼はまだ彼を信用はしていない。犬のように、いつ噛み付くかわからないからだ。
「ありがとうございます。でも大丈夫です。」
優しく断ることにした。
「おい、松原、人の邪魔をするんじゃない。報告書まだだろ。」
あっ、ヤギ来た。
ヤギとは、シュッとした、メガネの男、柳生勝太のことだ。五十代で仕事に熱心。そのため、恋愛に全く興味がない。
心涼は彼を親父みたいな存在としている。班長とは違う安心感がある。
「おい!誰だ俺のコーヒー盗みやがったのは?!」罵声をあげて部屋に入ってきた太った男。田野村辰男。彼を見ていると、居酒屋の常連に見えてくる。心涼は彼を虎と呼んでいる。乱暴だが、正義感が強いからだ。
騒がしいが、どこか居心地のいい二流一課。心涼はここを気に入り始めていた。
あと少しで完璧だった。あと少しで。
「月宮、これ、頼んだ。」
心涼のデスクに新たな資料や報告書が積み上がった。整理しろ、ということだろう。
心涼は身長の高い彼を見上げた。北斗琉真。心涼は彼をオオカミと名付けている。二流一課のエース。冷たく、どこか見下されているような目。だが、別に容姿だけで彼を嫌っているわけではない。
「彼は北斗琉真だ。この班のエースでもある。北斗、彼女に色々と教えてやってくれ。」
神原に紹介されて、軽く頭を下げる彼。そして頭を上げると、心涼を観察する。何かを見出そうとしているようだ。そしてやっと口を開けたと思うと
「身長低くっ」
「……゛あ?」
ボソッと言ったため、気づいたのは心涼だけだった。
「は?なんだ?」
本人は自分が何を言ったのか気づいてないようだ。
プツン――
「ゴホン、えっと、よろしくお願いします。」
なんだコイツ、と思う気持ちをこらえ、淡々と仕事を進める。 みんなそれぞれの仕事に取り掛かっていると、一本の電話が鳴る。
「はい、こちら捜査一課補助班です。」
班長の電話が鳴る時は出動の合図、そうヤギに教わった心涼。
周りに緊張感が走る。班長が電話を切りみんなを向く。
「応援の要請が来た。下北通りで男性の遺体が発見されたようだ。」