「……これは”殺し”じゃない。」
結那は、血を拭いながらゆっくりと立ち上がった。ナイフを逆手に握り直し、震える声で続ける。
「”人間としての生存”を、不可能にさせるだけ……!」
ライアは相変わらず笑っていた。
「いいねぇ、そういうの大好きだよ。さぁ、どうやって俺を壊すつもり?」
「黙れ。」
その瞬間、結那のナイフが青白く光る。
「《氷葬》。」
空気が一瞬で凍りついた。ライアの周囲に白い霜が広がり、彼の体がみるみる氷に覆われていく。
「……あぁ、寒い寒い。これで終わり?」
ライアは薄ら笑いを浮かべたままだった。しかし結那は、冷静に次の言葉を放つ。
「終わるわけないでしょ。」
彼女がナイフを振ると、氷がさらに分厚くなり、ライアの体を完全に閉じ込めた。
「……っ!?」
ライアの表情が初めて歪む。動けない。指一本さえ動かせない。
結那は静かに近づき、氷に閉ざされた彼の顔を見つめた。
「”死ぬ”よりつらいよ。壊すことも、戻ることも、もうできない。」
ライアの目が見開かれる。
「これは……”殺し”じゃない。”お前の生きる意味”を奪っただけ。」
結那はナイフを氷に突き立てる。
「永遠にそこで眠ってな、ライア。」
氷は、完全に沈黙した。
結那は息を吐き、震える手を抑えながら、通信機を手に取る。
「……吉田、片付けた。」
だが、通信機の向こうからは、静かな声が返ってきた。
「……いや、まだ終わってない。」
結那の背後で、微かにヒビ割れる音が響いていた。
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁぁ!!!!! めっさ頭ええやん、、、確かにそうすればいけるかも、、? あ、なんか後ろからヤバい音がしますね、、( でもよくよく考えてみればライアたん埋められても這いずってきた(?)んだしさらに強化されてるらしいから氷くらいは余裕かもしれないね((( 次回もめっっっっさ楽しみンゴ!!!!!!