夢を見た。俺の知ってる人たちが血まみれで殺されている夢をある人は顔を潰され、またある人は全身に黒斑ができて亡くなっていてた。俺にはどうしようもなくて、だけどあの子を見つけるために這いずり回った、だけどその子も殺されていた。「ッ!!ハーハー、大丈夫、大丈夫だ、きっと誰も殺されてないはずなんだ、」だけどスバルには分かっていた今だに冷汗をかいて安心しきれていないことを、信じたくても最悪の可能性しか想像できなくてだけど今の自分じゃ何もできないことを許せない。
そしてまたこちらに向かってくる足音が聞こえた。次は手と言われたあの時からできる限りイラつかせないようにしておこう、手がなくなって自分が何もできなくなってあの子に見捨てられると思った瞬間、本当に自分が狂ってしまいそうだったから。
「やあ、元気かい?」昨日やったことをまるで忘れたかのようにそう言うレグルスにスバルは血の気が引いた、これが本当に自分と同じ普通の人間から生まれてきたやつとは心の底から思えなかった。
「いいや、昨日お前に足を無くされてから全然元気じゃねえよ、」そう言うとレグルスは少し顔を歪ませ「目上の人間にはもうちょっと丁寧な言い方をする方がいいと思うのだけど、それは相手の権利の侵害になり得るからね、」そう言うとレグルスは扉を開けて部屋に入りこちらにきたかと思うと、いきなりスバルの髪を掴み持ち上げた「そして、昨日言ったはずだよね?次は手かもっと痛めつけられるかと、だけど今回は選ばせてあげよう手をなくすかもっと痛めつけられるか」それを聞いた瞬間スバルは言葉をミスったと感じた。だけど早く選ばないと強制的に手を無くされる気がしたスバルは「手が無くなるぐらいだったら痛めつけられる方がマシだよっ!」
それを聞いたレグルスは「そうか」と言いスバルを壁に向かって投げつけた。一瞬の出来事で状況を理解できていないスバルとは裏腹にレグルスはこちらに近づき、いきなり腹に蹴りをいれはじめた。「い゛っだ、」投げつけられる力が強かったからなのか頭の方から血が出ているような感覚がある、「君が言ったんだから言ったことに責任持たないといけないとねっ!」何度も何度も強く踏みつけられて、もうスバルの腹はアザだらけになっているだろう。
「も゛ぅ、げんか、い゛、だから、やめで、」そんな悲痛な言葉でもレグルスは「責任を持て」と言って次は前回のように足をグリグリしだした。「あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛─!!っ゛─!!!」痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ、──やめてくれよっ!
スバルは敵の前でもこの痛みには耐えれず大粒の涙を流しながらずっとやめるのを待っていた。
─30分経った頃だろうか、やっとレグルスが足を離し「ああ、そう言えば今日はハーフエルフの子を迎えに行く日だった!」それを聞いた瞬間にスバルは開放感と同時に殺意が込み上げてきた。
「エミ、リ、アに触れるんじゃねえ!あの子の事を何も知らねえくせに!」
「この後に及んでまでまだそんなこと言うのか!決めた、あの子を迎えにいった後お前の事を散々痛めつけて二度と話せないようにしてやる!」
もう二度と話せなくなってもいい、あの子を守る為ならば。その覚悟もあったがやはり怖い、あの子に拒絶されて見捨てられたらと考えると狂いそうだから。
「じゃあまた後から、次は想像もつかないような痛みを与えてやるよ」
そう吐き捨てて長く続いた時間はやっと終わった、それと同時に吐き気が込み上げてきた。「う”っ…ッえ、ぇっ”、げほっ…おえ゛っ、」
吐いてしまった床を見るとスバルは驚愕した。床が真っ赤に染まり、まさかとは思い口を拭って見るとジャージにべったり血がついていた。「クッソ、どうすればいいんだこれ、」
そしてベアトリスは昨日他陣営にもスバルが攫われた事を言い、スバルが攫われたことも大問題だがもう一つ大きな問題点があった。それはエミリアの騎士のスバルが攫われたことで、エミリアを守る人がベアトリス、ガーフィールぐらいしかいなく、しかも今ガーフィールはミミと一緒にどこかにいるので明日にはちゃんと戻ってきてエミリアを守ることができるのかが分からず、実質今エミリアを守れるのはベアトリスぐらいしかいないのだ。そうするとユリウスがこう言った「スバルがいない間は私がエミリア様をお守りしよう。私は怠惰戦で魔女教と戦ったことがある、そしてエミリア様を守らなければスバルに顔合わせができないからね、」ユリウスがそう言うとエミリアは「ユリウスありがとうね」と言い少し悲しそうな顔をしながらベアトリスと一緒に部屋へと戻って行った。
「スバル」、そう呟くと「大丈夫よベアトリス!スバルは私の騎士様だもの、そう簡単にやられる訳はないわ!」そう言い、少しでもベアトリスを元気づけようと色々な事を喋りそうしていくうちにベアトリスも少しだけれど元気がで初めて、部屋につき布団を敷いた後にエミリアはベアトリスを見ると「スー、スー」と言う寝息が聞こえエミリアは安心して夢の中へと落ちていけた。