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「ガマー村クリスマス大量虐殺事件」
この事件の犯人によって、私の父は
殺された。
内容はガマー村のクリスマス祭の最中に
一瞬にして観光客含む2000人が1人の
男によって惨殺されるという
世界中の人間が戦慄した事件。
犯人はまったく証拠を残さずその場から
離れ、逃走した。
不可解なのが、一切呪空の乱れが
見られなかったという点で、これだけの
大量惨殺には膨大な呪空の乱れができる
のが自然だからだ。
私は、幼いながらに原因を追求していた。
事件が起こってから、以前のような優しい
母親は居なくなった。
そして、そのような心境の変化は私にも
あったらしい。
あの日、色々なことが起きて頭の整理が
まだついていない。
これで私に関わってくれる人間は
1人たりとも居なくなったのだ。
なんであのようなことを言ってしまったのか
私の1人反省会は日々時間が増していった。
そして、私があのような抵抗をしたからか
虐められることは無くなっていった。
ただ、暴力女の称号が付けられ
陰口を言われることは多くなった。
そこからさらに日数が経ち
私は高校に進学した。
進学先はかの有名な呪空専攻高等学校。
ここでは呪空に関する知識や、扱い、
呪攻に関することを主に学ぶことが出来る
禁忌生命管理局への就職の大前提が
ここの学校への4年間の入学歴である。
さらに、いくつかの資格取得も必要
なので、難易度はだいぶ高い…。
・呪空知識2級検定
・呪空取扱者資格試験
・呪空実技技術応用試験
・特殊呪空管理者試験
・呪攻専門知識1級検定
・呪攻実技技術応用試験
禁忌生命管理局への就職に必要な資格は
以上のもので、上から順番にまとめると
・呪空の知識をどれだけ有しているか
確認する検定
・呪空を取り扱う資格を得る試験
(呪攻や呪空を取り扱う会社に就職する
場合のみ必須)
・呪空を扱う技術がどこまであるか、それを
どこまで応用させられるか確認する試験
・呪空の流れや濃度、地域による差などに
より様々なことを検査し管理する
禁忌生命管理局への就職において最も
重要と言える管理者資格試験
・呪空を武力として扱う呪攻の知識を
問う検定
・呪攻を扱う技術がどこまであるか、それを
安全に、非人道的行為に背いた運用が
可能であるかを確認する試験
もちろん、この世界において呪空を練ることは
誰であってもできるが、それを使用し社会に
溶け込むとなると、厳しい検査の壁に
ぶち当たる。
禁忌生命管理局がエリートと言われる所以が
それである。
この高校では、何度も私の人生を変える
人物や出来事が起こる。
今思えば、私が自分の力を認知し始めたのは
この時期かもしれない。
桜が舞い降りている。
華麗で、豪華な景色は私の人生を一変するのを
言い表しているようだ。
少し歩くと、高校の校舎が目に映り始める。
圧巻の大きさだ、ふたつの校舎が上から
見ると八の字に見えるように設置されている
左側が第一校舎で、右側が第二校舎らしい
そして校舎の手前には校長の石像が置いて
あり、足元の看板にはこの高校の歴史が
綴ってある。
「ふぅ…」
死に物狂いで努力してやっと手に入れた
合格通知表。
全てを変えてやるという思いで
私は呪空専攻高等学校の校門に
足を踏み入れた。
ふと周りを見渡してみると、比較的
校則に縛りがないためか
見た目が派手な人が多い印象だ。
石像は校舎の手前側にあり、そこから
左右にふたつの道に別れている。
私は第一校舎のため、左の道に進む。
その時、真ん中で突っ立って石像を
見つめる少年がいた。
(あの子、どうしたんだろ…。)
通り際に顔を拝んでみると、それはそれは
不安げな顔だった。
(何がそんなに心配なんだろ、もう
入学式に参加するだけなのに。)
そんな疑問を抱きながらも、私は自分の
クラスに移動した。
「ふぅ…」
1年生の教室は4階、2年生の教室は3階
と言った感じで、大きい学年ほど下の階
に教室があるので、少し疲れる。
「ここが私のクラス…」
扉の前まで足を運んだ私は、息を大きく吸い
ドアを左にスライドした。
ガラ
もう既に着席している人達の視線が一気に
こっちへと集中する。
(うわー…緊張すご)
そんなことを考えながらも、表では平気な顔
を演技して、席を探した。
(えー…と、あぁ、ここね)
私の席は左後ろで、教卓からは遠い位置
私は着席して大人しく人を待つことにした。
数分後…
全く人が来ないので心配していると
ガラ…
担任らしき人が扉を開けて入ってきた。
「うん…」
その人は人数を手で指し数え終えると
「全員いるね」
そう言うと、その人は教壇に行き、荷物を
置いた。
「ようこそ、呪空専攻高等学校へ。
私は今日からこのクラスを受け持つ
ミラー・ベルズだ。」
私は始めてみる担任の教師よりも、この
クラスの人数の少なさに驚いた。
「今年は例年よりも人が多いね、授業も
捗るよ。」
「…先生、質問をしても宜しいですか?」
隣の席の前髪を分けた好青年が挙手する。
「どうぞ。」
「ここの高校、なぜこんなにも定員の数が
少ないのですか?
伝統的な呪空専攻高等学校であれば
それを知ってもらうため、もう少し定員
の数が多くても良かったと思うのですが。」
ミラー教授は笑顔で答える。
「うん、昔はそのような考え方で多くの
生徒を受け入れていたよ。
けどね、技術が進歩する度、設備や装置を
置く面積や手間が圧倒的に増えて、物理的に
多くの生徒の受け入れが困難になってね。
金銭的にもこれだけの設備を揃えるのは
大変だし、世界にもこういった呪空を扱う
技術者を育てる教育施設は少ないんだよ。」
「…。」
青年は、しばしの沈黙の後に2つ目の質問を
ミラー教授に投げかけた。
「タージ、セドプトリス戦争の影響ですか?」
その瞬間、ミラー教授の顔が険しくなる。
「…話、聞きたい?」
その発言の後、ミラー教授の話すタージ、
セドプトリス戦争の話は壮絶なものだった。