プロローグ ○○様
「〇〇様!」
「〇〇様どうかこの子の病気を治してください!」
「○○様どうかこの飢饉を止めてくださいませんか!」
「〇〇様どうか!」
「〇〇様!」
「〇〇様!〇〇様!」
うるっさい
なんで私はこんなことに
なんで私はこんな目に
ただ観光しに来ただけなのに
もうしーらない
私は、とある家に帰った。
「おはよ~」
「おはよう」
これが今の私の姿
昔よりも力がなくなったけれども
いろいろ言われなくていい
たまに面倒なこともあるけれど
それも大丈夫
でも、
もしももこの子が嫌になったのなら
その時はまた帰ろっかな
本当の家に
「ふわぁ」
私の名前は神崎紅葉
ただいま絶賛寝坊中(?)だ
「紅葉起きなさい!いつまで寝ているつもりなの!」
「ふわぁ~い」
まったく、休日なのだからすこしは寝ていたっていいじゃないか
「今日は何曜日だと思っているの」
「今日は月曜日でしかも祝日だから学校休みだよ」
「へ?」
お母さんはカレンダーを見ると
「あっ、ごめん、ごめん」
と言ってきた
はぁ、これだからお母さんは
おまけに 第一話 夢と現実の境界線
「はっ」
目が覚めた
「おかあ、さん」
その時、中3になってから初めて泣いた。
大粒の涙を滝のよう流しながら。
もう分かっているんだ。
お母さんはもう、
もう。
もう会えないのだから。
二度と、
にど、と。
中3なのに夢で泣いていたら笑われるのかな
笑われるだろうな
だが関係ない
それだけは
お母さんのことだけは
誰に言われようが
関係ないのだから
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!