【side:壮一】
最近ツキの様子がおかしい…。メッセージの返信も遅いし、誘っても断られる事が増えた。
『最近まで特に変わった様子は無かったと思うけど、何かあったのか?』
今夜は久しぶりにツキに会える。楽しみにしながら家へ行くと、出迎えてくれたツキはとても疲れた顔をしていた。
「どうした?何かあった?」
「何でも無いよ。ちょっと疲れてるだけ…。ねぇ、壮一。もう準備したから早くやろうよ。」
「いや、疲れてるって言ってただろ?俺は帰るから今日は早く寝ろよ。」本当は俺だって今日を楽しみにしていたけど、ツキの体調が心配になる。
「ヤダ!帰らないで!早くしてよ!」
珍しく感情的に引き留められた。
「そんな無理やりしなくても…。」
「帰らないで…。1人にしないでよ…。」
そう言って泣きそうな顔で力いっぱい抱きついてくるツキの首元に、薄っすらとしたアザが見えた。
『なんだこれ?』
「お前、これ…。」
取り乱しているツキにこれ以上は聞けない。
「わかったから。一緒にいるよ。ベッドに行こう。」
そう伝えるとツキは嬉しそうに俺の顔を見上げて微笑んだ。
ツキはあまり自分の事を話さない。
ツキの事を知らない事で、今の関係がいつか終わってしまうかもしれないと、怖くなる時もある。ツキは中毒性があって危うい。
でも、ツキが俺を受け入れてくれた時から、ツキが望む様にしようと決めていた。
「あっ、んっ、壮一ぃ…もっと奥までぇ…。気持ち良いよぉ。」
「まだ足りないか?」
「あった、かいの、いっぱい、お腹にかけてぇ…」
自分の言葉にも感じているのか、精子を先から垂らしながら中だけでイキまくっている。不安定なせいか、いつも以上にセックスに溺れてる様だ。
「んっ、んっ、欲しいんだろ!イクぞ!」二回目の精子がツキの腹目がけて大量にドロドロと流れ落ちる。
「あったかぁい。」
そう言って、自分の腹にかかった俺の精子を指先でなぞりながら幸せそうに微笑んでいた。
何度も俺に抱かれ、疲れきったツキが眠っている。
『眠れて良かった。』
お互いの身体を綺麗に拭いてからツキが眠る布団へ入る。いつもならセックスが終わると、疲れているツキの為にも眠っているのを確認してから帰る様にしている。でも今夜は、また夢で泣いてしまうかもしれない。目が覚めてしまった時にツキが寂しがらない様に、怖い夢からツキを守る為に抱きしめて眠った。
朝、俺が起きあがると同時に、ツキも目が覚めたのか薄っすら目を開けた。
「壮一…。」
布団にくるまりながらツキがこちらを見ている。
「おはよ。眠れたか?」
「うん。」
「じゃあ、帰るな。」
「うん。」
「無理するなよ。またな。」
寝ぼけているツキの頭をクシャクシャに撫でてから部屋を後にした。
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