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軋むベッドの上、下着だけを身に纏った私と上半身裸になった彼は熱い抱擁を交わす。



何度となく繰り返される、彼からの強引なキスと執拗な愛撫。



私の口から時折漏れる吐息混じりの嬌声は、彼の行為を助長させる。



「……ッあ、……もう、これ以上は、……ダメッ」


「“ダメ”じゃなくて、“イイ”だろ?」


「――ッんん」



彼のその行為から逃れたくて微かに抵抗を試みるけれど、拒みきれない私はただただ流されるだけ。



「ダメ」と口にしながらも身体は反応を見せてしまい、彼は私を離そうとしない。



それどころか、私の身体を反転させて強引に後ろを向かせると今度は後ろから抱き締めてきて、耳朶や首筋に舌を這わせながら背中へと下がっていき、ブラジャーのホックを外してスルリと私の身体から外すとそれをベッドの上に放り投げ、彼の骨張った大きい手が露わになった私の胸を覆い、



「……っあ、……やんっ」



優しく揉みしだきながら、時折胸の頂きを指で刺激してくる。



「駄目とか言ってる割に、身体は素直だよな?」


「――っ、そんなこと、……言ったって……ッ」


「いいよ、お前のその嘘つきな口は塞いどく。これからは身体に聞くからさ――」


「――ッんん」



再び前を向かされ、ベッドに押し倒された私の顎をクイッと持ち上げると、口角を上げて意地の悪い笑みを浮かべた彼は再び私の唇を塞ぐと抵抗出来ないよう私の片腕を押さえつけながら、息つく隙も与えられないくらいの激しい口づけをひたすら繰り返してきた。




こんな行為をしているけれど、



私たちは決して、



恋人同士では無い。



一言で言ってしまえば付き合っていない。



あくまでも身体だけの関係。



――要は、『セフレ』だ。




出逢いは二ヶ月前。



私は誕生日の当日に三年付き合っていた彼氏に振られ、一人ヤケ酒を飲む為にバーを訪れた。



そこでカクテルを数杯飲んでいると、常連客なのか、マスターと軽口を交わして「いつもの」と注文をしながら私の隣の椅子に座ったのが彼。



「一人?」



そう声を掛けてきて、初めは鬱陶しいからシカトしていたけれど、彼はめげずに話し掛けて来る。



「見かけない顔だよね、ここは初めて?」とか「一人なら俺と飲まない?」なんて矢継ぎ早に聞いてくる彼に、



「あのさ、鬱陶しいから話し掛けないでくれない? ナンパとか、迷惑だから」



キッと冷たく鋭い視線を向けながら素っ気ない態度で放っておいて欲しいと告げたのに、



「ごめんごめん――けどさ、君、すごく寂しそうな瞳をしてるから、気になっちゃって。放っておけなかったんだよね。俺で良ければ話聞くよ?」



優しい瞳で私を見つめながらそんな風に言ってくるもんだから、私はついつい彼に気を許してしまった。



だって、



本当は凄く、淋しかったから。



そこから、私たちは互いの自己紹介をした。



「俺は城戸きど 夏輝なつき。君は?」


「私は、舘野たての 未來みく



互いの名前を知り、夏輝が新たに頼んでくれたカクテルを手に乾杯をして、二人で色々な話をしながら時間を過ごしていく。

彼の愛に堕ちて溺れて

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