コメント
2件
しろニキ最高です! また出して欲しいです!
.
* nmmn , BL
* ご本人様たちが許可しているとはいえnmmnに変わりはないので迷いましたが自己満程度に。
* 名前をお借りしていますがご本人様とは関係ないです。
* SNSなどへの拡散はご遠慮ください。
捏造、ファンタジー
…
「ああ、今日って満月だったか」
夜道を歩いていると、横の男がふと空を見上げて言った。なんや、狼男かなんかか?そんな冗談交じりの言葉は喉の奥に逆流していった。男の方を見ながら、口を開き、目を三日月形にしようとしたところで、そんな雰囲気じゃないことに気づいてしまったので、急ブレーキして戻っていった。
なんだったか、人間は月に影響される、なんて言う話を聞いたことがある。俺はそういうのは自覚がないから理解が難しかった。どこで聞いたか忘れてしまったが、はて、一体どんな影響が?と思いながら調べたことがある。頭痛、興奮…他にもあったような…。
「なんか頭痛とか?」
「まあ、そんなもん 」
曖昧な記憶でそう問いかけると適当な返事かかえってくる。隣の男は少し歩くスピードが早くなってて、ちょっとだけ前を行くようになった。表情が見えなくてどういう感じか判断ができない。返ってきた声は、家から出る時より弱々しい声になってる気がした。
「薬でも飲むか?」
「いや、慣れてるし大丈夫。寝たら治るよ」
あまりにも無知すぎてどう声かけるのが正解かわからんまま、ただの体調不良と同じ問いかけを投げてしまった。帰ってきた反応は、さっきよりは元気そうな声だった。こんなのかすり傷だよ、笑いながら言うようなそんな感じの声音だった。
「そうか」
本人が言うのだからそうなのだろうな、安心してしまった。頭痛ってこんなんだったか?と思ってしまうほど健康体のような行動するから、こいつが特別痛みに鈍いのか、本当に慣れてしまったからなのか、そもそも痛みにある程度は強いのか。
.
うちに着くと真っ先に寝室へ向かった。
やっぱりあれから少しずつ早くなってたみたいで、思えば玄関から寝室へは競歩のようだった。よほど耐えられなかったのだろう。結局あそこで止まったとて何も出来ないのだから、鞭打って動くしか無かったのだろうな、と。
そんな彼の姿を見届けてキッチンへ足を進めた。
.
「薬、飲めそうか」
薄らまぶたを上げこっちを見る。
まだ痛むのか眉は寄ってて不機嫌な顔。それから拒否するように顔も体ごと反対側へ寝返りする。