「決めたのはいつもあなただったのに?」
自分の足音だけが、只響いている。
此所に来てどれほど経ったのか。
それすら分からなくなる程に、もう既に幾星層と言えるほどの年が過ぎているのかもしれない。
人も動物も誰も居ない、時が進むことの無くなった世界。
「ねぇ。」
教えて。
「これは私がずっと望んでいた世界だったんだ。」
だった、筈なんだよ。
「なのにね、どうしてこんなに寂しいんだろう。」
独りが苦しくなったのはいつからだろう。
空虚になってしまう。
でも、救ってなんて言えないよ。
だって私は、もうとうに重い重い罪があるんだもの。
その上、望んで、欲張ってしまったから。
屹度、これ以上はダメなんだ。
独りきりの街で、永遠の牢獄に囚われた亡霊を演じている。
未だ諦められもせずに、何処かに鍵は無いかと探している。
あゝ、あの時は、寂しいなんて思いもしなかったけれど。
コメント
6件
この人物は削除されました。