TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

夜の基地。白川はキッチンでコーヒーを淹れていた。部屋は静かで、遠くで機械の音がかすかに響いている。


そこへ、霧島がふらりと現れる。


霧島:「お、いい匂い。」


白川:「……あんた、また何しに来たの?」


霧島:「いや、コーヒーの匂いに釣られたんだよ。そんなに警戒するなって。」


白川は呆れた顔をしつつ、カップを二つ用意する。


白川:「……まぁ、せっかくだから飲む?」


霧島:「お、珍しいな。優しいじゃん。」


白川:「勘違いしないで。余っただけ。」


ふたりはカウンター越しに向かい合い、静かにコーヒーを飲む。


霧島:「なぁ、白川。」


白川:「……何?」


霧島:「好きな人、いる?」


白川は一瞬むせかける。


白川:「……は!? 突然何?」


霧島:「いやー、さっきの膝枕事件からさ、気になっちゃって。」


白川:「だからあれは……!」


白川が反論しようとしたそのとき、霧島が不意に真顔になる。


霧島:「俺さ……好きな人、いるんだよ。」


白川は思わずコーヒーを置く。いつもふざけている霧島が、そんな真剣な顔をするのは珍しかった。


白川:「……誰?」


霧島はカップをくるくる回しながら、少しだけ視線を落とす。


霧島:「……秘密。」


白川:「は? 何それ。言いかけておいてそれ?」


霧島:「まぁまぁ、怒るなって。」


霧島はいたずらっぽく笑うけれど、どこか寂しそうにも見えた。


白川:「……本気なの?」


霧島:「……あぁ。結構な。」


その言葉に、白川の心が少しざわつく。


白川:「ふぅん……そっか。」


霧島:「ま、相手には多分、全然気づかれてないけどな。」


霧島はそう言って、少し笑った。


白川:「……あんた、意外とそういうとこあるよね。」


霧島:「どういうとこ?」


白川:「……ヘタレ。」


霧島:「おい、傷つくわwww。」


でも、霧島の笑い声にはどこか優しさがあった。


白川は、少しだけ胸が痛んだ。

loading

この作品はいかがでしたか?

126

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚