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「……未來ちゃん、駄目かな?」
「…………」
普通なら、こんな見え透いた言葉には引っ掛からない。
でも、どうしてだろう。
夏輝の言葉には、自然と頷いてしまっていた。
「…………一晩……一緒に、居て」
きっと、誕生日に一人っていうシチュエーションが淋しかったから、誰かに傍にいて欲しかったのかもしれない。
もしかしたら、夏輝以外の人に同じことを言われても頷いていたのかもしれない。
私の返答を聞いた夏輝は優しく手を取ると『それじゃあ行こっか』と言って少し歩いた先にあった建物へ導かれるように入って行く。
そこは言わなくても分かるかも知れないけど、二人きりになれる密室の空間。
夏輝は慣れた手つきでタッチパネルを操作して部屋を選び、エレベーターで指定されている部屋へ向かう。
そして、
部屋へ入り、ドアを閉めた瞬間――
「――未來」
「……っ、あ……」
ドアが閉まり、私の身体はそのドアへと押し付けられながら強引に口を塞がれる。
「……っん、……はぁ、……んんッ」
何度も角度を変えながら唇を塞がれ、夏輝の指が、私の頬や耳朶、首筋を這うように移動していく。
その行為が擽ったくて、身体がゾクリと震えだす。
強引なキスのせいか、それともお酒のせいなのか、頭の中がフワフワする。
こんな場所で、こんなこと。
こういうところのドアだからって、特別厚いわけでもないだろうし、もし今ドアの外に人が居たら声が聞こえてしまうかもしれない。
「……なつ、き……ッ、ここじゃ、……やだ……」
「――そういう顔、男の前でするのって良くないよ? わかった、ベッドに行こう」
私の訴えを聞いてくれた夏輝によって手を引かれた私はベッドの前に着くや否やすぐに押し倒され、私の上に夏輝が跨がって、再び唇を塞いでくる。
私が着ていたトップスとブラジャーを捲り上げて露わになった胸に唇を移すと、チュッと口づけながら膨らみ部分を執拗に攻めてくると同時に、今度はストッキングの上から脚を優しく撫でてくる。
「ん、ん……」
二ヶ所で与えられる刺激に擽ったさと何とも言えない感情が湧き上がり、声を抑えつつも身を捩りながら反応させていく。
「声、我慢すんなよ」
「ん……、」
いくら部屋の中へ入ったからと言えどやっぱり声を出すのは恥ずかしいわけで、そんな風に指摘されると余計声なんて出しにくいのに、
「――ッあ、んんっ」
それを分かってやっているのか夏輝は私の声を出させようと胸の頂きに舌を這わせると、そこを執拗に舐めたと思ったら歯を立てて優しく甘噛みしてきた。
これには我慢出来ず、自分が思っていたよりも大きな声が漏れ出てしまい、身体の温度が一気に上昇していった。
「うん、やっぱり可愛い。声も、反応も、俺の思った通り。未來ちゃんって本当可愛い。俺好み――」
「――っん、……ぁ、」
そんな夏輝の甘い言葉に頬を赤らめていると、彼は一度顔を上げて体制を立て直して私の唇にチュッと口づけてから頭を撫でてくる。
「これ、邪魔だから脱がせちゃうね」
「……っ」
そして笑顔のまま、私の脚からストッキングと共に下着を脱がされて覆うものが無くなり、先程まで与え続けられた刺激で敏感になりつつある秘部が露わになってしまう。
「未來ちゃん、もう濡れてるね? 触られただけなのにこんなに濡らすとか――」
只でさえヒクついているそこから愛液が溢れ出そうになるのを感じているところを夏輝に指摘された私は顔を覆いたくなるくらいに恥ずかしい気持ちでいっぱいなのに、彼はそれを許さず私の腕を掴んで顔を隠せないよう邪魔した上で耳元に顔を近づけながら、
「未來って結構淫乱だなぁ」
「――ッ」
先程までと違う低音ボイスで急に呼び捨てにされたこと、卑猥な言葉を囁かれた私の羞恥心は更に高まり、秘部から一気に蜜が溢れ出ていくのを感じて顔は更に熱を帯びていった。