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…続き楽しみです… …頑張ってください……………!
「 ―ていう訳なんだ」
僕は天海くんに起きたことを事細かに話した。
「なるほど…なら赤松さん辺りが怪しいっすね」
「そうだよね…」
どうやら、天海くんも僕と同じ考えらしい。
「だから、百田くんには赤松さんを探すようお願いしたんだ」
「たしかに…百田くんは頼もしいっすね。」
「…なんで他のやつの名前を出すんだ」
「…」
「天海くん!!」
「これはやばくなってきたっすね…」
「…えっ?どうしたの天海くん」
「最原くん、さっきまで黙ってたっすけど、君結構やばい所まで進行してるっすよ」
「ええっ!」
「たまに気を失う時ないっすか?」
僕は少し思案した。
「…あるよ」
「その時っす」
「…え?」
「その時、君はヤンデレに乗っ取られてるっす」
「ヤ、ヤンデレ!?乗っ取られてる…って?」
天海くんは少し考え込んだ。
「…つまり、二重人格みたいなもんすかね?」
「…なるほど…?」
ありえない話だけど、今こうして困っている訳だし信じてみるしかない。
ていうことは、その(ヤンデレ化する薬)を赤松さんに盛られた…ってこと?でも、どうして…
「…動機が分からない」
「俺もっす…ひとまずは、赤松さんを捕まえてからっすね」
「そうだね」
「いや、最原くんはここにいてください」
「えっ?どうして…あ」
そうだ、自分出は分からないけど…いつ気を失うか分からないし…
「最原君は今危ない状況なので待ってて下さいっす」
「分かった」
…どうしようかな…こうなると暇だぞ…
「じゃあ、俺は行ってくるっす!くれぐれも出ないようにしてください!」
「…置いていくもんか…」
「…」
天海くんは無言で走り出した。
「待ってよ天海くん!!ここから出してよ!なんで!?出して!!」
僕の意志とは関係なく言葉が発せられていく。
今にも意識を手放しそうだけど、気をしっかり持たなくては。
みんなに迷惑をかける訳にもいかないし…
「…あれ?そこにいるのは最原さん?」
「あ、茶柱さん! 」
幸いなことに、落ち着いてきた頃に声をかけられた。
「まるで閉じ込められてるみたいですね!まぁ男死のことです。なにか卑猥なことをしたんですか!?」
「えっ?違うよ!」
「そんなこと、この転子が許しません!!」
でもまずいな…茶柱さんに見つかるとは…
「転子がいつでも極めてやりますよ!!キエエエエ!!!」
「ちょっと待ってよ!」
「なんですか?男死のくせに言い訳ですか?醜いですね!これだから男死は…」
「いや、言い訳っていうか…」
「んあー?うるさいぞ転子…何してるんじゃ…」
「あっ!夢野さん!すみません、男死がまたくだらないことで捕まってるらしいので…転子が成敗してやろうと!」
「くだらない事では無いかな…」
さすがにまずい。人が増えてしまった。
「はぁ…なんでもいいわい。っていうか、そこにいるのは最原か?」
「うん、そうだよ…」
「なんで最原が捕まってるんじゃ?魔法で出してあげようではないか」
「いや、待っ…」
「ほれ!」
ギィィーと椅子が引かれたような音がした。
ガララ…
「大丈夫か最原?」
「さすが夢野さん!懐が広いですね!!」
「んあー、これくらいおちゃのこさいさいじゃ」
やばい。今のまま暴走したら被害が甚大に…
「ん?どうしたんですか最原さん、夢野さんの好意を無下にするつもりですか!?なんて酷いんでしょう!!全く男死は!」
「いや、ありがとう!」
そう言って僕は走り出した。もう逃げるしかない。そう思ったんだ。
「よ、よかった…」
どうか、夢野さんたちにはボロを出さずにすんだ。
「とりあえず中庭まで逃げてきたはいいものの…これだと誰かに見つかりそうだ…」
研究教室に篭ろうかな…やっぱり自室に帰ろう!
その方が鍵をかけられるしいいかもしれない…
「最原くん!」
「え?ゴン太くん…」
「そんなに慌ててどうしたの?ゴン太が言うのもなんだけど…最原くんらしくないと思う」
「…そう見える…?」
…意識が朦朧としてきた…
今はまずい…
どうにか自分を抑えるようにして、とりあえず逃げよう。
「やっぱり風邪とかー」
「ごめんゴン太くん、全然大丈夫だから!心配しないで!じゃあ僕戻るね…!」
「あっ、最原くん!?」
…なんでみんなから逃げようとしているんだ、僕。
なんで?僕はみんなが大好きなはずだ。
みんなから好かれるためには心臓だって惜しまないはずだ。
それくらいの気持ちはあるのに、なんで逃げようとするんだ、僕は。
…あれ?これは…僕の気持ち…ではないはず。
これは僕ではない…他の意思…なはずなんだ。
でも、みんなを好意的に思っているのも間違いないし…
境界線が分からなくなってきた。
どこまでが僕で、どこまでが薬?
「ー最原くん!」
…あれ?ゴン太くん?
おかしいな…逃げていたはずなのに。
「急に抱きついてきたのに動かなくなってどうしたの!?ていうか、そんな危ないもの、紳士として見逃せないよ!」
あ…もうダメかもしれない…
意識が遠のいていく。
「ゴン太くん、僕じゃない僕だから!」
「え?ゴン太、何言ってるか分からないよ…」
そして、僕は意識を手放した。