幼馴染のヒデとは、幼稚園の頃に出会った。
僕らは段々と仲良くなっていって、気づけば親友以上の存在になっていた。
僕らはずっと一緒に居た。お弁当を食べるときも、、お昼寝も、かくれんぼをしてるときも必ず一緒にいた。
「アキ!」
そうやって僕を呼んで笑うヒデが、僕は大好きだった。
小学校に上がると、クラスは別々になった。それでも僕らはずっと一緒だった。
毎日欠かさず一緒に遊んで、ずっと友達だと言って笑った。僕はヒデのそばにいるだけで、幸せな気持ちになれた。
これからも、そんな日々が続くと思っていた。
中学生になると、なぜかヒデは僕によそよそしく接するようになった。
話す姿はどこかぎこちなくて、常に周りを気にしている様に見えた。廊下で話しかけると「今は忙しい」といってそそくさと行ってしまう。
僕といるときはいつもソワソワしていて、あまり目を合わせてくれなくなった。
ヒデは僕といるところを人に見られたくないたのだろうか。ヒデにとって僕と一緒に居ることは恥ずかしいことなのだろうか。
本当はそうでないと信じていても、怖くて本人に理由を聞くことはできなかった。
次第にヒデは僕から離れていった。ヒデは僕より、別の友達と一緒に居るようになった。
この前までは僕に向けられていた笑顔が、僕以外の誰かに向けられているのをみるたびに、胸が苦しくなった。
悔しさと寂しが込み上げてきて、涙をこらえるのに必死だった。
中学二年生の夏、学校で有名ないじめっ子達に目をつけられた。何人も転校や不登校にさせたらしい。
最初はものを隠されたり、陰口を言われるだけだった。けれど、嫌がらせはエスカレートしていった。
カツアゲや机に落書きをされるのなんて、まだいいほうだった。バケツで水を被せられたり、痣ができるほど強く殴られたり、時には刃物を向けられることもあった。
ヒデは助けてくれなかった。ずっと見ないふりを、知らないふりをした。目が合ってもすぐに逸らされててしまう。
ヒデはきっと、僕を嫌いになってしまったんだ。僕が何か、ヒデを傷つけるようなことをしてしまったんだ。
僕はその時、中学生になってから初めて泣いた。
コメント
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続き楽しみにしてるね〜😄