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崩壊した世界で。

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崩壊した世界で。

4 - ー1ー 2話 少女、農家に出会う

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2025年01月21日

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あたしは、緑色の草花を踏みしめる。

真っ青な空。ゆらりゆらり揺れる草木に花たち。

それはまるで__。

この世界の〝崩壊〟なんて、無かったみたいだ。

少し離れたところに行けば、すぐに吞み込まれてしまうのに、ここは__。


綺麗だ。


驚く程に。ここは別世界のような。そんな気がした。

「……まあ、獲物を取るのには変わりないけど」

今日見つからないと、久々のご飯抜きだ。何週間ぶりのご飯抜きに耐えれる気は到底しないから、とにかく獲物を探す。

もしかして、ここら一帯はもう人がいないのかな。すぐそこで戦争が勃発してたから、危険を察知して逃げた可能性も……。

「__あれ、君どうしたの?」

「っ!」

必死に探していたからか、後ろに立っている人間の気配に気づくことができなかった。

__いや、気配がなかった?

この人間、何者……?

「そんな警戒しなくていいよ。俺は凸もり。よろしくね」

__そう言って、彼は人外であるあたしに、笑いかけた。


━━━━━━━━━━━━━━━━━


「じゃあおどろくちゃんは、食べるモノを探してるってこと?」

「うん、そうだよ」

まぁ目の前に獲物はいるんですが。

凸もり__凸は、どうやら畑の農業を営んでいる農家らしい。ここら一帯も、凸の領地だそう。

こんだけ大きな土地を持っていたら、羊や牛がどれくらいいるだろう。考えただけでも、お腹が空いてくる。

そう考えた時、タイミングよくお腹がぐ~~~っと鳴った。

「あっ、ごめんなさ__、」

「……っぷ、あははっ、ははっ」

凸が、突然吹き出して笑い出した。

恥ずかしさで、あたしは顔が真っ赤になる。

「……笑うななのだ」

「ごめんごめんっ、お腹が空いてるんでしょ?家で食べてく?」

「え……っ」

正直、助かる。空腹というモノから逃げれるついでに、人間も手に入るから。

「じゃあ……お言葉に甘えて」

そうこなくちゃ、と笑った凸もりさんの背を、あたしは追いかけていった。

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