しにがみ→し
ぺいんと→ぺ
学校の昼休み、窓に雨が強く打たれる
空っぽな空気が雨で満たされていく感じ
僕にはもう分からないかなぁ……ッ
ぺ「しにがみ~」
し「! ぺいんとさん、どうしたんですか?」
いつも通り、平然をかぶさって自分をつくる
怖いよねぇ……嘘って
騙し騙される嘘、本当に哀れだよ
ぺ「今日一緒帰れねぇ?」
し「ちょっとだけ用事あるんですけど……大丈夫ですか?」
ぺ「おっ!?マジで!?ありがとよ!!」
し「1年の靴箱でまってて貰えたらなるべくすぐ行くので」
ぺ「りょ〜かい!サンキューな!!」
そういうとあなたは自分の教室がある階へ戻った
誰も、気がついてはくれない
自分に嘘をついて、人の前で取り繕う
僕の方が……よっぽど、哀れだなぁ…ッ
放課後、校舎裏の屋根がある場所に呼び出された
いつも通り、いつも通り……、大丈夫、僕なら…ッ
モブ1「お前、ほんとうぜぇんだよ」
モブ2「さっさと消えてくんね?」
モブ3「目障りなんだよな」
し「ごめ、なさッ」
呼んだのは君たちなのに、矛盾してるね、本当に
モブ1「もうお前の顔みたくねぇから、ここ来なくていいから
いじめが無くなったわけじゃねぇよ?」
モブ2「お前がいつも関わってるあの3人、これ以降アイツらと関わったら
あいつらもいじめてやるからな」
し「ッ!!」
モブ3「そんじゃ〜っ笑」
あーあ、ほんっとにみっともない
でも、そんなこと言えるはずない
いっそ楽になりたいや……
でもぺいんとさんが待ってるしなぁ……まだ雨降ってるよ……
ぺ「おー!きたきた!」
し「ごめんなさいっ、遅くなりましたっ!」
ぺ「んーんいいよ別に」
「そこまで気にしてねーし、誘ったのこっちだろ?」
いつも明るいあなたは、どこか雨で消えてしまいそうな少し暗い顔で
僕に笑いかけた。
ぺ「……なぁ、しにがみ」
し「どうしましたか?」
ぺ「俺さ……見ちゃったんだよね、お前が悪口言われてるところ」
し「……いつもの事ですし、いいんですよ、変わることの無いことですから」
ぺ「なんかあったら言ってよ……頼むから…ッ」
し「!」
ぺいんとさんは今にも泣きそうになってた
そりゃそっか、分かるのかいじめの辛さが
だからこそ、言えないなぁッ
だって……僕は逃げてばっかだから
し「……ッ」
ぺ「分かるよ、誰にも言えない辛さ、相談なんてできねぇもんな」
し「……」
ぺ「他の人に言えないなら……俺にだったら言えるか?」
「俺で頼りなかったらクロノアさんやトラゾーもいるし」
ぺ「お前には、味方しかいねぇよ!」
し「……ありがとう、ございます……ッポロポロ」
涙が止まらなかった
気がついた、逃げてたんじゃなくて
逃げなきゃ行けなかったってこと、逃げないと壊れるのは僕だから
逃げた先には3人がいる
話したら楽になれる
もう少しだけ………
生きてみようかな
でも1つだけ───
し「雨音が響いていますね」
ぺ「……そうだな」
『拝啓 未来の僕へ
僕は今生きていますか、まだ3人と一緒にいますか
見た目や声で今も悩んでいますか?
僕は今日、未来でも憧れてるであろう人に、救われました。
だから未来の僕が見てたらみんなにこういってください
ありがとうって
過去の僕より』
コメント
6件
神すぎます……言葉のやつ来てびっくりしました。あ、無言フォローと初コメ失礼します
雨音が響いてますね」に隠された意味は、「あなたを愛していました」って意味らしい (Google先生より)
いい話やッ、( ・-・̥ )