「はぁ…やっと終わった」
僕はしにがみ。撮影で使うゲームを作っていた。一昨日から徹夜していたので、とても眠い。張り切りすぎてしまった。でも、そのお陰で、我ながら面白いものができたと思う。日常組のみんなは楽しんでくれるだろうか。明日の撮影がとても楽しみだ。そんなことを考えながら時計をみると、針は10時を示していた。今日はもう、寝てしまおう。
グラッ
……?
僕は天井を見ていた。
スマホから着信音が鳴り響く。自分からは遠い場所にあるようだ。
そのまま、視界がぼやけていった。
「しにがみ君、大丈夫かな」
「あいつの事だから大丈夫ですよ」
!?
目が覚めた。
「!!起きたか!おはよう。しにがみ!」
聞き慣れた声がする。
「ぺいんとさん!?」
そこには、心配そうに僕を見つめるぺいんとさんがいた。キョロキョロと周りを見ると、僕の部屋で、僕はベッドの上にいた。
「えっ、なんでぺいんとさんが??」
「しにがみが電話に出ねぇから、来たんだよ!」
「電話…?えっ、ぺいんとさんの家って、めちゃくちゃ遠いじゃないですか!それに、どうやって入って来たんですか!?」
「心配で来たんだよ!しかも、鍵が閉まってなかったんだよ!危ないじゃん!」
「ええっ!?」
状況がよくわからない。電話とは、なんの事だろう。何故ぺいんとさんが?そう首を傾げながら聞いていた。
「で、」
「?」
ぺいんとさんの顔が険しくなる。
「お前はなんであんなところで倒れてたんだ?」
「・・・」
倒れていた?昨日の夜の記憶が曖昧だ。制作が終わって…
何をしようとしていたっけ。
「まぁ、見れば何となくわかる。あの開きっぱなしのパソコン。企画ためにゲームを作ってくれてたんだな。それに、お前の目の下のクマ。しばらく寝てねぇだろ」
「えへへ張り切りすぎt」
「何笑ってんだよ!!」
ここまでキレてるぺいんとさん見たことない。
「ごめんなさ」
そう言いかけた時、ぺいんとさんが僕をぎゅっと抱きしめてくれた。
「しにがみ、心配だったんだぞ…!」
鼻をすする音が聞こえる。僕を心配して来てくれたんだ…。僕って、迷惑かけすぎだな…。どうしよう。
「しにがみが日常組のみんなのために、視聴者さんのために、頑張ってくれたのはわかった。でも、しにがみが体を壊したら、意味、ないじゃん…」
僕もぺいんとさんを抱きしめた。…あたたかいな。自然と涙が出てきた。
「ありがとうございます。ぺいんとさん。自分の体のこと考えず、無理しちゃいました。僕のために来てくれたんですよね。ごめんなさい。僕、すごく嬉しくて…」
「…馬鹿、普通だろ」
ぺいんとさんは照れくさそうに微笑んだ。
「えへへ」
僕も嬉しくて微笑んだ。
コメント
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うへへへへへ( ◜ω◝ )
つづき、頑張りますね…!٩( 'ω' )و