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wki side
俺は知らない誰かの過去を見ていた。
俺自身が誰なのか、何時の記憶なのか、そんなことは分からない。けど、俺は今誰かの記憶の中にいて、その人目線に俺がいる。何故か、そう理解出来た。
俺は今、見覚えのある公園の隅っこのベンチに座っている。絵本を抱えて__
公園の中では、小学生くらいの子達が鬼ごっこをしている。鬼は多分、あの足の速い男の子と……よく知っている男の子、。
俺はその子が誰なのかがすぐに分かった。その子の正体は俺だったから。
俺はその子達をじっと見ていた。多分、傍から観たら羨ましそうに見えるだろう。
遊んでいる子達を暫く見ていると、1人の子が此方へやってきた。その子は俺だった。
「ねぇ。一緒、遊ぶ?」
そう言って俺を見下ろす昔の俺。気づいたら、勝手に口が動いていた。
「ううん、大丈夫……」
なんで、知らない誰かの記憶に俺がいるのだろう…。そんなことを思っていた。
「そっか、!またいつか遊ぼーね!笑」
そう笑って、昔の俺は子供たちの輪に戻って行った。
俺はそれと同時に手元にあった絵本を開いた。
その絵本のタイトルは……
そこで、俺の意識はプツリ と途切れて、アラームの音が耳を刺した。