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つまりあれですね、えなあいと彰こはですね
キャー!!リアルタイム!! 久しぶりにるとねちゃんの小説見るとテンション上がるね!! 冬弥!彰人が全責任を冬弥に押し付けてるぞっ!! そして杏ちゃん!杏ちゃんの知らないところでディスられてるよw!
「セカイの絵画展?」
相棒の言葉をオウム返しで繰り返す。
「ああ、そうだ。」
「たしか、絵名さんは、絵を描いていただろう」
「あー…まあ、そうだな」
ぶっちゃけアイツの絵はどうでもいい…なんて、
この純粋ピュアな相棒の前では口にできることじゃない。
「んで?その絵画展がどうしたんだよ。」
しれっと話をそらし、気になっていることを聞く。
「その事なんだが、少し彰人に頼みがあってな。」
「頼み?」
なんだなんだ。一体どうした。
嫌な予感しかしない。そう感じる。
「実は―――。」
「はあ?絵画展?」
「なんでそこにアンタと行かなくちゃなんないのよ」
「うっせ、オレだってお前なんかと行きたかねえよ」
予想通りの反応だ、無理もない。
なにせ―――
〝2人で絵画展に行こうなんて切り出したもんだから〟
「だーかーら!!!!」
「愛莉か雫、それか瑞希たちを誘わないと私は行かないっての!」
あー、此奴は何処まで欲張りなんだろう。
オレだって、絵画展に興味なんてない。
行く時間があれば練習がしたい。
だが、折角冬弥がくれたチケットを無駄にするわけにもいかない。
さあ、オレは此処からどうすれば良い?
「ねえちょっと!聞いてんの!?」
「へぇへぇ、聞いてますよ」
「なにその返事!!」
五月蝿い、とても五月蝿い。
司センパイ程じゃないが、とても五月蝿い。
誘えばいいじゃねえか。と、言ってみる。
「え、誘っていいの?」
「な〜んだ、それなら早く言ってよ〜♪」
調子の良い奴め。
ったく、ならオレは行かなくてもいいじゃねえかよ。
「ねえ、彰人は?」
「は?」
「話聞いてなさいよ」
「あんたは誰誘うのかって聞いてんの」
「はあ?」
「いや、別にオレ誘わなくても良くねぇか?」
「つーか、桃井さんたちと行くなら、オレいなくてもいいだろ」
「チケット貰った本人が行かなくてどうするのよ」
「それは……」
なにも言い返せない。悔しい。
「ていうか、なんで貰えた訳?こんな高いチケット……」
遂に切り込まれてしまった。
別にやましい理由など無いが、冬弥の優しさをこいつの眼前に差し出すことが気に食わない。
「本当は冬弥の家族で行くはずだったんだと」
「だけど、急に親父が仕事で行けなくなったらしい」
「へぇ〜…この絵画展を棒に振るなんて、中々良い神経してる…」
〝同感〟と大きな声で叫んでやりたい。
此奴と同じ意見なのは心底気に食わないが、其処だけは同感である。
「でも、行けないんだったら貰ってあげても良いけどね」
「なんだよその上から目線…」
「そっちから行こうって頼んだくせに」
「お前…性格悪いな」
「お互い様でしょ」
なにがお互い様だか
こっちはどれだけお前に振り回されていると思っているんだ。
「じゃ、愛莉に電話しよっと」
「日にちって明日でいいよね」
「おう」
はいこれでオレも行くことになりましたね対戦ありがとうございましたー。
「仕方ねぇ、冬弥でも誘うか…」
…と、言うわけで
絵名に誘われた桃井さん、
そして、オレが誘った――――
「きょ、今日はよろしくお願いしますっ!」
……小豆沢こはね。
「あれっ、冬弥くん誘ったんじゃんなかったの?」
「あいつも今日は用事らしい」
「絵の価値がわからねぇ杏を連れて行くより余っ程マシだろ」
「い、言い過ぎじゃ…」
こはねは優しいから引き受けてくれたが、
こんな面倒な姉に付き合わせてとても申し訳ない。
いや、事の発端はオレだが。
あ、冬弥か。
「彰人くーん!中に入るわよ〜!」
「あ、今行きますッ!!」
桃井さんの声に目を覚まし、オレはこはねの後を追い、会場へと足を踏み入れた。
To be continued ……