ある学校で。
いつものように教室で、山本千恵はクラスの人気者、高橋由美とその友達に虐められている。
「あっれー?来てたんだ。存在薄いから気づかなかったや、根暗野郎w」
そんな由美の声と友達の笑い声が教室に響く。
教室にいた皆は、見て見ぬふり。
千恵は唇を噛み締めて、ただ本を読んでいる。
千恵は大人しいし、誰かとよく喋るわけでも無いため、すぐさまいじめの対象となった。
お昼の時間、千恵は自分のお弁当をゴミ箱から取り出す。
大きなため息をしたあと、グチャグチャになったお弁当をただ見ていた。
由美達は千恵を見て クスクス笑いながら自分のお弁当を食べ始める。
「アハハ、美味しー」「最高!」
そんな声が千恵の耳には入った。
学校が終わった。
千恵は誰よりも早くそそくさと教室を出る。
「あ、アイツ行っちゃったよ…」
由美は残念そうに呟く。
千恵は帰り道独り言を言いながら歩く。
「はー。今日も昼ご飯なかったし。お腹減った〜。」
そう言ってお腹に手をやる。
「疲れたなあ。今日は早く寝よう。」
そんな中、ふと千恵の目の前に不思議なポスターが現れる。
「なんだろうこれ…」
千恵は書かれている文字を読もうとする。そこにはこう書かれていた。
そして下にサイトが書かれている。
千恵は冷や汗をかく。
「なにこれ…気味悪い。こんなのある訳ないし!」
千恵はそのまま、まっすぐに道を歩き始めた。
家に着くと、千恵はお風呂に入り、お母さんに用意されていたご飯を電子レンジで温め食べた。
そうして自分の部屋に入ると、千恵はやっぱりあのポスターが頭から離れない。
千恵は携帯を取り出し、「人間買取」と調べた。
そうすると、「人間お買い取り致します。公式サイト」というものが目に入った。
千恵は思わず息を飲んだ。そうしてその文字をタップすると、サイトが開く。
そうすると愉快な音楽と共に誰かの声が携帯から響く。
「このサイトにたどり着いた選ばれし皆様!ようこそ人間買い取りショップへ!皆様、いじめにあっているなど、不幸な事に囚われていますよね?」
その瞬間、千恵の鳥肌が経つ。
「うそ…なんで分かったの」
「このサイトでは人間をお買い取りさせて頂きます!貴方には嫌いな人間が居ますよね?そんな人たち、私達が買い取りますよ〜!」
千恵は背中が凍りつくほどの恐怖を覚えた。
「怖い…人間を買い取るって、どういう事なの…?」
それでもサイトはしゃべり続ける。
「怖い…と思う人も居ますよね?これを試すかは自分次第で、私たちは何もやれと言っている訳ではありません。でも、今を変えたいなら、是非ともお買い取りさせて頂きたいです!それではまた!」
音声が途絶えた。
それと同時に、千恵はサイトをすぐに閉じた。
どうしてだろうか。千恵は怖いと思ったのと同時にこうも思う。
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