私にはさ、夢があったんだ。
好きなことに関係する職業なんだけどね。
でもね、気づいた。
私じゃなれないの。
私は、みんなが持っているものを持ってない。
知ってた?私って意外と欲張りなの。
……。
嘘つきだ。
みんなが当たり前にできることは、私が努力しなきゃできないものだった。
…ねえ。
…………。
それでも私は諦めたくなかった。
でもさ、でもさ……。
…はあ。
今は前の夢をよく見る。
夢は私ができなかったことを簡単に完遂するんだ。
私、ずっと前の姿に縋ってる。
…。
………。
みんなに嫌われないようにって、努力した。
みんなが好きな物ってあるじゃない。
あれをね、知ってみることにしたの。
…私、駄目だ。
頑張ったのに、崩れる。
……。
違う、こんなの私じゃない。
嫌だ、なあ。
ところで。
もう日が暮れるよ。
帰らないの。
怒られちゃうね。
寒いなぁ。
1時間オーバーだよ。
まあ、どうでもいいことか。
君は私じゃない。
私は君じゃない。
一緒にはしたくないから。
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