コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
残り1回になりました。
【リトライしますか?】
《Yes》◀《No》
スラスラとトイレに向かう若葉の後を追う。私もついでに…と思ったが嫌な予感がしたのでやめた。たまに嫌な予感がするが、その予感がしたら絶対にそこには行かないしやらない。否、行けないのかもしれない。
若葉「あれ?那月ちゃんは良かったの?」
トイレから出てきた若葉が目を細めながら言う。小さく首を縦に振ると「そっかぁ…」と言ってまた廃校からの出口を探しに出る。
ー数十分ー
若葉「全然見つからないね〜」
那月「…はい、」
若葉「ん?どーしたの?」
那月「い、いや…なんでもない。」
中々見つからなく、疲労も溜まっているからなのか身体が重たい。走ってもいないのにゼーゼーと息も荒くなってくる。
疲れているのに気づいているのかいないのかずっと笑顔が絶えないイケメン男。何故かそれにも苛ついてきてしまう。
ついにはバタンッと倒れてしまう。
若葉の足音も止まったのだが、こちらを振り向くことなく喋り始めた。
若葉「…やっと、やっとだね。本当に我慢した甲斐があったなぁ…。」
こちらを見なくても、声色だけで分かる。本当に笑顔で興奮とも取れる。
だんだんと意識が遠のいてくる感覚があった。それでもなんとか口を開いた。
那月「なん、で…お前何者…だよ、」
若葉「えー、どうせ死ぬ奴に名前なんか教えたくないんですけど。時間の無駄」
私が問うとこちらを振り向き、やはりニコニコの笑顔でそう言う。
若葉「まあ、君は美味かったし特別に教えてあげるね」
私が美味しかった?どういう意味だ?
何一つこの状況についていけない。
重たい頭を上げて若葉…いや、化け物を睨む。
若葉「アハハッ!そんなに睨むなよ〜。まず俺はここ、廃校の怪異ってやつ。んで、なんで君がそんなになってんのかだけど…俺は人間の魂を喰らう。少しずつ少しずつ削っていくんだよ〜君の魂、甘いのに辛くて不味いのに美味しい。矛盾ばかりの味、初めて食べる味だった」
言いながら少しずつ近づいてくる。
初めての怖さなのに何十回、何百回というほど味わった怖さ。でも、こんな記憶はない。
混乱と恐怖、色々な感情が混ざってる。
そんな中でも、怪物は待ってはくれない。
泣いても喚いても近づいてくる。
そして、どんどん意識がなくなってくる。
若葉「…本当、人間はいいよね。矛盾ばかり、でもそれが面白い…。俺らも俺らで矛盾ばかりで変な生き物。君も面白かったよ、ありがとう。バイバイ」
そこで意識が途切れた。
・・・・・・【ゲームオーバー】・・・・・・
残り1回
リトライができなくなりました。ホームへ戻りますか?
《Yes》◀《No》
____
__
「あ”ー…またクリアならず。心折れるよこんなん…。」
コントローラーを置いて寝転がる少女。
「ん?おっ!友達からラインきてんじゃん。気づかんかった…。なになに〜、廃校に肝試し?面白そうっ!絶対やる〜!」
迷わず返答する。後先考えずに化け物共の恨みを買わないと良いね。まあ、もう手遅れか。南無阿弥陀仏…