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山本は五条に連れられ、呪術高専へとやって来た。
「さて、君の生得術式を調べようか。」五条はサングラスを外し、六眼を輝かせながらニヤリと笑う。
「え、特にそんな大それた能力とかないと思うんですけど…」山本は汗をかきながら後ずさる。
「いやいや、君、絶対ヤバいもの持ってるよ。」五条は手を振りながら軽く言う。
そして、六眼を発動——
……。
…………。
………………。
「あ。」
五条の顔が一瞬、真剣になったかと思うと、その後すぐに目を逸らし、鼻歌を歌い始める。
「えっ、なんですか!?何見たんですか!?」
「んー?いや、大丈夫大丈夫。君、意外と面白い能力だね。」
「なんか誤魔化してますよね!?今、”あ”って言いましたよね!?」山本は不安そうに五条の肩を揺さぶる。
五条はサングラスをかけ直しながら、言葉を選ぶように口を開いた。
「山本麹、お前の術式は…『発狂』だ。」
「……は?え、ちょっと待ってください。発狂って何ですか?そんなざっくりした能力あります!?」
五条は肩をすくめながら答える。
「いや、ざっくりじゃないよ。むしろ超シンプル。お前が発狂すると、周囲も巻き込んで発狂する。」
「巻き込む…?いやいや、僕、そんな能力…」
「試してみる?」
「やめてください!!!」
五条は面白がるように山本の頭をポンポンと叩く。
「まあ、簡単に言うと、お前がパニックになったり、精神的に追い込まれたりすると、近くにいる人間も同じ状態に陥るんだよ。」
「え、つまり僕がテンパったら…?」
「そう、周りも一緒にテンパる。」
「え、僕が泣いたら…?」
「みんなで泣く。」
「僕が怒ったら…?」
「みんなでブチギレる。」
「最悪じゃないですか!!!!」
山本は頭を抱え込むが、その周りで生徒たちがなぜか頭を抱え込み始める。
「ほらほら、ちょっと冷静にならないと。」
五条はクスクス笑いながら、術式の影響を見て楽しんでいる。
山本は慌てて深呼吸を始めると、周りの生徒たちもつられて一斉に深呼吸を始める。
「こ、これ、めっちゃ気まずいじゃないですか…!」
「うん、まあ、うまくコントロールすれば、敵を発狂させるのに最適な能力だけどね!」
「いや、コントロール難しすぎません!?」
五条は満足そうに頷きながら、山本の背中をポンと叩く。
「まあ、安心しろ。特別に特訓してやるよ。」
「絶対嫌な予感しかしない…!」
五条の無茶振りに巻き込まれながら、山本の呪術師としての道は予想以上に険しいものになりそうだった。
「俺、普通に生きていたかっただけなのに…!」
果たして、山本は「発狂」を克服し、まともな呪術師になれるのか!?
次回へ続く!