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次に目が覚めたのは日が水平線に沈む頃。窓から通ってくる橙色の曲線が、目に温もりを与えてきていた。…腰が上がらない。気だるさに圧力。これ等が力を合わせれば勝てないものなど殆どないだろう、気だるさに身を悶えながら目線だけを窓に向ける。木の葉は掠れながら光を真に受けて燦然となっている、それはまるでアンバーの様。光を目一杯に浴びて今日此処まで育ったその木々は力強く、芯があった。逆に私はなんだと。そう思うきっかけでもあった、淡々と事実だけが前に並べられる。縺れていた足を縫い直す様に腰を上げる、背もたれには洗面台を。足を少しばかり擦りながら軽蔑する、何故、動かんのだ。大々的な様になっているわけでもないだろうに。お前の代わりなんぞ幾らでもいるんだぞ、と捲し立てる。弾丸の様に言葉を紡いだ訳ではないのに、地べたからのっそりと這い上がる様な気持ち悪さがあった。これ以上冷ややかには言えないと思える様な響きで只言っただけなのに、打ちしおれる。自分が蒔いた種であろうに…いや、だからだろう。胸の辺りが変に重苦しく空っぽだ、事実は自分の理性と共鳴するもののそれが生むのは何一つと幸福は失く、淡々とした屈託に沈む。そうすれば、自然と瞳に涙が込み上げてくる。沈鬱すればするほど冷めた幻滅が瞳に写る。足を伸ばしきったままだらしない体勢で独りごちる、つまらない事ばかりが其処には淡々と並びに並ばされこの状況を変えられる様なそんな衝動に心が蒸される。辟易して黙り込む姿はお菓子を買って貰えず拗ねる子供の様だ。
暫くして。
状況は結局一変する事もなく、何時も通りの流れとなった。足は既に垂直に伸びている、日は一欠片もなく水平線に落ちきった頃。
「うーん…」
彼女は窓に立っていた、言葉もなく淡々と外の世界を見つめる。窓に映る無数の光の粒が一つでも墜ちれば良いのに、と思ってしまう。情緒もなく考える事を意味を成さず、どうしようもないつまらなさに。