『よし…これで終わり。いいな?約束を忘れるなよ?』
[は〜い…]
包帯を巻き終わり、席を立つ。
『…どこまで連れて行けば、一人で行ける?』
あいにく、私は部屋まで見送ってやるほど人が良くないんだ。
[電車の駅まで行けたら、ホームまで一人で行ける!]
『…あそこか。…その状態で歩かせるのは怖いな。ん。』
しゃがんで手を広げる。抱っこすれば大丈夫だろ。
[え…?ハル先生抱っこできる…?その腕で…]
『舐めんな。ほら、私も仕事があるんだよ早くしろ。』
[えっちょ!]
返事も聞かず抱える。…なんだ。片手で行けるじゃないか。
『ちゃんと食ってるのか?』
[食べてるよ?それよりハル先生、背高いね。』
『あ〜…前測った時は178とかだったっけな…?』
[…落とさないでね?]
『そこまで人の心無くしてねぇよ。((』
プレイケアにつながる電車の駅に向かう。
『ここらへん、地図がないから分かりにくいよな。』
[うん。曲がり角間違えたらすぐ変なとこついちゃう。]
…地図置けないのか交渉してみるか…?
「こ、こんにちは“ドクター”‼︎///」
「まさかドクターに会えるなんて…!夢みたいだわ…‼︎」
…なんであの研究員顔赤らめてんだ?
[どしたの?]
『…いや、なんでもない。行こう。』
今優先すべきはこっちだしな。
【…おい、そこの研究員。】
あ〜ぁ、誰か呼び止められちゃったな。災難な奴だ。
【そこのお前だ!】
気づいてないのか…どこの研究員だ?
[えっと…ハル先生?多分ハル先生のことだよ?]
『、は?』
【あぁ。そこの子供を抱えてる研究員だ。】
めんっっっっっどいッッッ‼︎
『…何です?何かご用ですか?』
【いや…お前は私に声をかけなかったからな。】
はぁぁ?それだけで呼び止められたのかよ…
『はぁ…。この会社には上司とすれ違ったら挨拶をするみたいなルールがあるんですか?』
『もしあるならば私の非です。申し訳ございません。』
『挨拶よりも優先すべき事案を“抱えて”いまして。』
『…それだけであればもうよろしいでしょうか?』
『次回からは気をつけるようにしますので。』
【あ、あぁ、なr
『ありがとうございますでは。(早口』
だるいだるいだるい…なんなんだあいつ…
『チッッ💢』
[ヒェ]
【面白いやつだな…興味が出た。】
【…ハル・リキッド…カウンセラーか。】
【私の部下に担当を変えさせるとしよう…。】
【“ハーレー”という名札は見えたはずだが、あの対応を取る…】
【ふふふ…いつまで持つか見ものだな。】
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