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放課後、校門を出たところで悠斗が待っていた。
「あ、せりな!一緒に帰らない?」
「えっ、あ、うん!」
今日は紗菜と帰るつもりだったけど、紗菜が「これはチャンス!」と言わんばかりにニヤつきながら、「じゃ、また明日ね~!」と手を振って去っていった。
(ちょっ、紗菜!?)
私は慌てたけど、悠斗は自然に歩き出して、私は流れで一緒に歩くことに。
**—帰り道—**
「今日、授業中ぼーっとしてたでしょ?」悠斗が笑いながら言う。
「えっ、そ、そんなことないよ?」
「いや、俺ちゃんと見てたし。」
「……っ!」
悠斗、そんなとこまで見てたの!?
「もしかして…何か悩んでる?」
「えっ…」
悠斗の声がいつもより優しくて、なんだかドキッとする。
「無理に言わなくていいけどさ、せりなが困ってるなら、俺は話聞くよ?」
「……悠斗…」
優しい。ほんとに優しい。
気づけば、さっきまでのモヤモヤが少しだけ消えていく気がした。
「ありがとう。なんか、悠斗と話してると落ち着く。」
「それならよかった。」悠斗はふわっと微笑んで、急に私の頭をポンっと軽く叩いた。
「えっ…!?」
「せりなって、意外と考えすぎるとこあるよな。たまには気楽にいこう?」
「……っ!!」
え、なにこれ!?頭ポンって、こんなの…ずるい!!
顔が熱くなるのを感じて、私は慌てて顔を背けた。
(やばい、今めっちゃ意識した…!!)
**—次の日・登校中—**
朝、家を出ると、また湊が玄関の前にいた。
「……おはよう。」
「おう。」
昨日の悠斗のことを思い出して、なんだか湊と顔を合わせるのが気まずい。
でも、湊はいつも通りな感じで、歩き出した。
「今日も一緒に行くの?」
「別に、ついで。」
またそれ!?
なんかいつも適当なこと言うけど、本当の理由は違う気がする。
「……昨日、お前悠斗と一緒に帰ってただろ。」
「えっ?」
「楽しそうだったな。」
「……!!」
湊の声がちょっと低くて、なんか不機嫌そうに聞こえる。
「な、なに?まさかまた悠斗のこと気にしてるの?」
「は?別に。」
(またそれーーー!?)
「なんか、湊って最近変じゃない?」
「お前が鈍いだけ。」
「は?」
「……なんでもねぇよ。」
またしても意味深な言葉を残して、湊は前を歩いて行った。
(……湊、やっぱり絶対何か隠してるよね!?)
悠斗の優しさにドキドキする一方で、湊の態度が気になって仕方ない私。
これって、もしかして……