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モノローグ クレイズネス・クレイスver.
僕は殺人が正当化された世界で生きていた。もちろん殺人が正当化されたから僕の両親は両方刺されて亡くなっちゃったけどね。僕は男子だけど、身の動きを誤魔化すようにスカートを履いている。身の動きがバレたら死ぬのと同じだからね。僕はまだ未熟だったから人を殺すまではいけなかったけど、これまでに何人かは苦しめてきた。ある日、寝ているところを人に見つかって拉致された。急展開で悪いけど、これがこの世界だ。君たちの世界とやらとは比べ物にならない。
僕は拉致されて気づいた頃には手足を縄で繋がれていて、知らない人達は僕の事を見て笑ってる。そしてその知らない人は僕の頭に銃口を向けてビビる僕で楽しんでいたようだ。怒りと屈辱、恐怖と悲しみが同時に来た。そして部屋の中にその人と僕だけになると、僕は必死に抵抗した。でも威勢は大人でも身体は子供だ。どうにもならなかった。僕は涙脆いから、そんな窮地でも泣いてしまった。いや、そんな窮地だから、かな?その人は嬉しそうに腹を抱えて笑っている。
次の瞬間、その人の身体ごと真ん中から弾け飛んでいった。何かと思い肉片を拭うと、めっちゃでかいねこみたいなものがいた。そのねこは「だいじょうぶ?これでもうあんしんだね。」って台に乗って僕の頭を撫でてくれた。僕は初めて優しさを感じて、変な感じになった。そして次にそのねこは言った。「ここがいやなら、だすことができるけど、どうする?」って。もちろん僕は早く逃げたいから、素早く頷いた。そしたらそのねこは縄をちぎってくれた。そして手を差し伸べてきた。なんとなくその手を握ったら、目の前が真っ白になった。周りに手を振り回すと、葉っぱを触っている。次に見た光景は、大きな苗木の葉っぱを掴んでいる自分だった。びっくりしてその葉を落とした。
あとから聞いた話だけど、そのねこみたいなやつの名前はゴマたんって言うらしくて、これまでにも僕のような人を助けてるらしい。僕はここに来てから自分が知ってる射術や剣術などを《ねこ》っていうやつに教えてる。
僕のような人を苦しめる存在でも、一つ歯車が変わるだけで人を教える人になることを知った。そして何より、もうあのような事が起きないように、今でも僕は人じゃないけど教えてる。いや、教えられている、の方がいいかな。