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破滅の先に、希望の光を

第1話 - 第1話「崩壊の兆し」

2025年02月12日

#第4回テノコン

#創作

水瀬

セラフィム（セラ）は、崩壊した世界の中で、静かに歩いていた。世界のあらゆる場所に歪みが広がり、空は赤く染まり、大地はひび割れ、かつては繁栄していた都市の廃墟が風に吹かれて崩れ落ちている。

セラの目には、そのすべてが終わりゆく景色として映った。しかし、彼女の心には希望があった。それは、彼女が持っている修復の力が、世界を元に戻す手助けになるかもしれないという信念だった。しかし、この力がどこから来たのか、なぜ自分に与えられたのか、その理由はセラ自身にも分からなかった。

彼女の隣には、忠実な相棒アリアナ（アリア）が歩いている。アリアはセラの守護者であり、彼女を支える者として共に過ごしてきた。しかし、アリアの心にもまた隠された過去があった。彼女もまた、セラの過去に深く関わっているのだが、それを語ることはなかった。

「セラ、またあの歪みが現れている。急がないと。」

アリアの声がセラを現実に引き戻す。2人は進行方向に目を向けると、空がひび割れ、そこから不気味な光が漏れ出しているのが見えた。

「イグラームか…」

セラは冷徹に呟く。イグラームとは、異世界から来た存在で、彼らがこの世界を壊すために送り込まれてきた「使者」だった。

突然、巨大な爪が地面を引き裂き、鋭い金属の音が響いた。空間が歪み、現れたのはガルヴァーというイグラームの眷属だ。ガルヴァーは、金属のような皮膚に、巨大な爪を持ち、顔は恐ろしい獣のように歪んでいた。その目は、人間のものではない何か冷徹で無慈悲なものだった。

「お前が修復を試みること自体が、世界の終わりを意味する。すべては俺たちの手のひらの上だ。」

ガルヴァーはセラに向かって挑発的に言った。セラはその言葉を無視し、彼を迎え撃つ決意を固めるが、その力はすぐに制御を失い、暴走してしまう。

「セラ！気をつけて！」

アリアが叫ぶが、すでに遅かった。セラの力が制御を失い、ガルヴァーを攻撃しようとするが、その力が歪みを引き起こし、周囲の空間が崩れ始める。

「頼む…！」

アリアは必死にセラを支えようとするが、その力に巻き込まれそうになる。

その瞬間、アリアの身体が光に包まれ、セラの力を受け入れることで、彼女の暴走をなんとか止めることができた。アリアは重症を負いながらも、セラを守り抜いた。

「ごめんなさい、アリア…私は、私はどうしてこんな力を持っているの…？」

セラはその場に膝をつき、涙を流した。アリアは苦しみながらも優しく彼女を支える。

「私がいるから、諦めないで。あなたが世界を修復するために戦わなければ、誰が戦うの？」

アリアの言葉に、セラは再び立ち上がる。2人の絆は、この荒廃した世界で唯一の希望の光となっていた。

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水瀬

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