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〇月△日 時刻 25時 天気 雨
深夜の中、世界の中心であるアメリカ合衆国にて全ての接続インターネットがハイジャック。
約3分間の動画が同時に流された。画面に打ち出されたのは白髪でありサングラスをかけ高貴な身なりをした女性。今から記録するのは3分間の内容である。
「Good evening,everyone who lives.
I’m looking forward to seeing you at a glance on the golden sea. Life easy course if you win,livestock course if you lose. See you again in the moonlight. ……..Oh . I forget to tell you. Come with the intention of losing everthing. 」
ゆっくりと伝え、砂嵐の後米国のネットワークは復旧した。
その後、世界中で客船、フェリー、ヘリコプターの予約や買収が加速し瞬く間に地上ではなく人々は海上へ飛び出して行った。
ここは喫茶『チェス』
レトロな雰囲気で街からは隠されたような裏路地に入口がある、いかにも隠れ家的常連しか知らない店である。
だがそれはあくまで一般的、世間的な話。
ノックを3回、日によってリズムは違うが、その応答としてベルが1回なり扉が開くとその先は
怪盗集団の園である。
神妙な顔つきでテレビとスマホを行ったり来たり見比べている白髪の男性は『ルーク』。怪盗としている時は、紫色の裾が短い紳士羽織の中に真っ白なブラウスにかかる紫色のブローチ、そして茶色のズボンとブーツ、ベレー帽が特徴的である。
懸賞金5000万の大怪盗目の前のルーキーだ。
その後ろでカチャカチャと自らの刀の処理をしているのは『香(かおる)』。ルークの妹分として認められ、日々ルークのお世話をしながら怪盗の性を学んでいる。香は昔からの伝統が厚い田舎から出てきたらしく、身を守る術として武道ができる。水色の着物に真っ赤な袴、黄金色の宝玉が先っぽについている赤いリボンで長い髪をひとつに束ねている。
ふいに長いひとつぐくりの髪がゆれた。どうやら刀やクナイの手入れが終わったようだ。
そしてご飯の用意をと移動しようとした時、ルークが声をかけた。
「香。お前ドレスって持ってるか?」
「え?なぜそう急に、、、」
「ちょっとな。ないならないでいいけどよ」
「困りますか?」「ちょっとは。」
そして香は察する。少なくとも4ヶ月は一緒に居た身として分かったようだ。
「すみませんがちょっとリスクのあることは勘弁しても良いです?」「リスクあってこそだろ」
先程のニュースを見ている限り、あれは 『ギャンブル』であろう。
武道をしているからとかそのようなことではなく、なんとなく今までの教えからしてやってはダメだろうと本能が叫んでいるのだろう。
「ねぇー頼むよー」「嫌です」
「あっじゃあさ、ドレスじゃなくてもいいから!着物でもいいから!」「私そんなに上等な着物持ってません」「えぇ」
内心、香はドキドキしている。実は最高級を誇るほど高価なモノを部屋に持ち込んでいるのだ。
それをルークが知ってなければいいのだが、、
「でもさぁ、香この前真っ黒な上等の反物仕入れてなかったっけ」「え?」
「別に誰かに送る訳でもないのに反物、、ってことはさ、、、」
やらかしたと思い、ルークと香の居住スペースのドアを開けようとした時、同時にあちら側からドアを開けた人がいた。
「あら香ちゃん?どうしたの。というかルーク!あなたまた勝手に冷蔵庫開けたでしょう!オムライスの材料足らなかったんだけど!」
入ると同時に説教をかましてきたのはルークの師匠の娘、そしてルークと同じ師匠から習ってきた同期『ワジール』。金髪の髪で後ろに三つ編みのお団子をしている。髪の触覚に左右3つずつ花のピンをとめ、お団子にはユリの飾りをさしている。
実はワジールは弱視である。ルークも耳の聴力が弱い。
2人の師匠はこの世に4人の弟子を持っている。
その中にルークとワジールも入っている。
他2人も五感、五体が満足ではないのだ。
だから尚更近年ではこの一派が注目されている。
「やっあのとき腹が鳴いたのが悪い。つまり俺は悪くない。」
「どーいうことよ!」
ワジールは『チェス』で看板娘として働いている。怪盗としても、生活するためにはお金がいる。そのお金を盗むような輩にはせまいと、師匠が教え、1人前となったときは怪盗の他にもうひとつの顔を持てと言われているのだ。ルークは顔面の良さを活かしてホストとして働いている。
ふいにワジールがルークの持つスマホを覗き込んだ。ふむふむという顔で見ている。
「、、、そういえば常連さんがこの話してたわ。行くとは言ってないけれど。」
昨夜の事件。もちろんワジールも知っていた。
「そのことでよー、香に行こーぜっつったのによ!こいつ服がねぇからーとかさ!?」
「そんなこと言ってません!」「ルーク、」
「でも私ギャンブルとか、、」
「私興味あるわ。一緒に行ってみない?」
「え!?ワジールさん!?」「あそこ、歴史的絵画も買収したみたい。ちょっと拝見したいのよね」
ワジールは『歴史的物』を狙って行動している。
「私、ドレス持ってるわよ?どうする?」
「だってよ」
「んんんんんん、、、」
「一応見せてみてよ!私がコーディネートするからさ!」
女性二人が着替えに行き、静かになった居住スペースでルークはスマホを見ていた。実はあの島の詳細がネットに公開されたのだ。HPを押そうとしたとき、スっと上からスマホが抜き取られた。
「は!?」振り返るとそこには、
「声を抑えなさい。まだ常連さんが玄関に居たんだよ。」
師匠『ビショップ』がいた。そして抜き取ったスマホをまじまじと見る。そしてスマホを返したあとルークの目をしっかりと見て、
「ここに行くのかい?」
「あぁ。まぁそーゆう方針で。明日の夜にせめて乗船できたらなとか思ってたり。」
「そうか。用心していきなさい。ワジールもいるんだろう?香さんも。」
「へいへい。お嬢はお任せあれ。師匠は行かねーの?」
「私は辞めておこう。少し、ね。」「?」
違和感を感じる間が作られていた。少し疑問を持ったがそのままルークは質問を続ける。
「てか用心って?珍しいじゃん師匠がそんなこと言うなんて。」
「そうだな。______________________________。
あっそれと、『ポーン』も来るらしい。よく協力するようにね。」
「え?ちょっと師匠。もう1回、、、」
もう一度聞こうと思ったが、風が吹いてよく聞こえなかった。分かったのは、もう1人の修行仲間『ポーン』も来るということ。
『一攫千金の島 ダイヤモンド島』
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最高で100億ドル
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貴方の狂気を見せてくれることを期待する。
オーナー名·····イザベル・モルガン
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