仰向けで寝転がる僕の手には鎖が2つ。僕に乗っかって来てる彼はとてもじゃないけどSな顔。いつも表情を乱さないのに、こうゆう時だけニコッてしてる。反則…だよね。僕が起きた頃には鎖がついてて、もう身動きが取れるような状態じゃなかった。
僕が起きたことを確認して、腰辺りに手を当て、お腹を伝って胸の方まで手を上げる。部屋の静けさは異次元で、手と体が当たる、スリッという音が聞こえたような気がした。
それと同時期にお腹がキュッとなるのが感じ取れる。感じているのを彼に感じられ、僕は目を瞑った。
その後少し躊躇いがあったのか、時間は空いたがようやく接吻をしてくれた。
多分彼は自分がやりたかったから、などと言いそうだけど、僕もしたかったからWin-Win。
「ん…、カルパッチョ、好きだよ」
僕も。と言わんばかりにディープな方をカマしてきた。そんなところも好き。
また少しさっきの静けさが戻ってきた。
「…本当に、…ざこなの?寝てる間襲われないとか考えなかったわけ?」
と、苛立ちを覚えるような言い方をする彼。
「僕はカルパッチョのこと好きだから….」
彼は好きって言葉に弱い。それは僕がいちばんよく知ってる。喧嘩した時でさえも、好きって言えば彼から謝ってくれるし、好きって言えば抱きしめてくれる。
この2文字が、彼にとってはいちばん嬉しい言葉なのかも。
「…好きだから、愛してるからこんなことするんだけど、まぁ、”ざこ”な君にには分からないか」
「…ざこを強調するのやめてくれない?」
「…雑魚にざこっていって何が悪いの」
相変わらずお口が悪いことで。いつもなら好きって言えば普通に始めてくれるのに。
今日はなんか粘りっけがすごい。
「…ねぇ、はじめないの?」
「言われ待ちしてた、いつも僕から始めてるからね」
「いじわるじゃん」
僕は声に出さずに笑った。
左端だけをあげたように笑う彼は…僕の宇宙一大好きな人だ。
コメント
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いやぁ…好き 監禁みたいな感じなのすごい好きなんよねグサッてきたしんだ