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三枝の目の前に、冷たくなったそいつがいた。何度も何度も胸を押し続けた。首に残った紐の後を何度も何度も擦った。そいつは目を開けなかった。
今日は学校を遅刻して言った。理由は寝坊と言ってある。ただ、朝からだるくて仕方がない。また怪物たちの巣窟へ、自分から足を踏み入れるのだと思うと、足がすくんだ。
「大丈夫なんだったら早く行きなさい」
母の声がものすごく辛い。母なんかに分からない、怪物の声も見た目も言葉さえも。それでも三枝は頷いて、学校用のリュックを背負った。
「いってきます」