キーボード担当の藤澤涼架。
いつも笑顔でほわほわしているマイペースな人。ファンの間では「ひよこみたい」「可愛い」なんて言われてる。
でも俺たち2人はファンが見た事のないような1面も見れる。たまに理解が出来ない行動をする。ちょっと前はぬいぐるみをちぎってだんまりしてた。心配はしたけど、やっぱりわからないんだよな…本当の涼ちゃんはどこなんだろう。誰なんだろう。…
ある日の休憩時間、俺たちは食事をとることにした。
🎤「美味しいね〜」
🎸「だねぇ あっこれいらないからあげる」
🎤「いや食えよ笑その歳で好き嫌いは良くないよ笑」
🎸「おい笑」
と、いつもの会話をしていた。でも涼ちゃんのご飯が減っていないことに気づく。
「涼ちゃん食べないの?」と彼の顔を見ると少し寂しそうな何かを訴えるような瞳をこちらに向けてきた。いつもの笑顔がなく口角が下がっていた。
🎹「なんでもないよ〜 さてっ僕も食べよ」
どうしたんだろう、明るい顔が見えない。こんな時、いつも言葉が詰まる
休憩も終わり、仕事に戻る時には涼ちゃんの状態もいつも通りになってた。それになんだか安心して少し悩んでいた俺の心も元に戻る。良かった
でも心配になり始めてくる。最近、涼ちゃんから出る「体調が悪い」が増えた。悩み事でもあるのだろうか。なら全然相談してほしい、というか相談してくれ。
でもそうには見えないのが哀しい 笑顔、昨日も笑顔だった。まるで俺の悩み事を「大丈夫」と、描き消すように。
1人で悩んでいてもなにも解決しないと思って若井に相談した。そしてなんと、若井もそう感じていたらしい。安心はしたけど、ならどうすればいいかはわからなかった。ただ涼ちゃんがいつものように過ごして欲しいことを祈り続けた。
ある日
🎸「ライブももう明日だな」
🎤「そうなんだよぉ 緊張するぅ!」
🎸「だよな〜…緊張しすぎて汗すごい」
🎤「うわっきたな」
🎸「おいっ!!笑」
🎤「AHAHAww」
ライブ前日の流れ 俺と若井がくだらない会話をしていると
🎹「緊張するねぇ」
最近は会話にも入ってくれなかった涼ちゃんが話しかけてくれた。正直久しぶりに話せて嬉しい気持ちがある。
でも様子がおかしい。いつもなら明るく練習中の事とか冗談を言うのに
🎹「はぁ、やだなぁ笑…」
🎸「…どうしたの涼ちゃん?」
🎹「みんなの足、引っ張らないといいんだけど…ほら、今回ピアノメインじゃん。間違えたらどうしよう笑」
🎤「大丈夫だよ涼ちゃん!間違えただけで怒鳴るファンなんていないよ。それと、緊張でどうしようもない時は俺らの事を思い出して」
🎸「そうそう 涼ちゃんが心配するほど厳しいファンなんていないんだよ」
🎹「そうかな笑」
🎤🎸「大丈夫大丈夫!」
涼ちゃんが微笑ましい顔になった後、急に涼ちゃんは小さな声で言い始めた
🎹「…やだよぉ…」
「やっぱり僕なんかは無理だよぉ…周りの冷たい目線で見られるプレッシャーと少しでもやらかした時の罪悪感がすごいんだよ、」
涼ちゃんの口からそんな言葉が出るなんて、そんな気持ちと涼ちゃんが抱えていた気持ちをしって俺と若井は固まってしまった。
そして地面を見ながら「頭が痛い」と何度も言っていたんだ。正直あんな状態では話しかけるのも怖かった。でも何でも1人で悩み込む涼ちゃんに少し嫌気がさした。
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🥺