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どんなにムカつく事があっても、彼女のほんの些細な仕草や、言葉でオレの心はいつも天地がひっくり返ったように大きく変えられてしまう。嬉しさに揺れるような笑顔も、少しからかっただけで恥ずかしそうに顔を朱色に染めて怒る姿も、大きく綺麗な瞳から涙を流す姿も。ぜんぶぜんぶ愛しくてたまらない。
『ねぇねぇ!イザナが私に秘密にしてる事って何かある?』
突然、彼女がいたずらっ子のような可愛らしい笑みを浮かべてオレにそう尋ねてきた。
いきなりどうしたんだ?と不思議に思いはしたが、すぐにオレの口からはだらだらと胸にずっと閉じ込めていた言葉が流れてくる。
「…オマエが知る奴全員皆殺しにしたいっていつも思ってる」
そう一言言葉を発すると、息をするように言葉が紡がれ始める。
別にオマエにはオレだけで充分だろう?
女だろうが老人だろうが何だろうがオレ以外にオマエの事知ってる奴がこの世にいるなんて許せない
オレだけを見てくれないなら
今すぐにでもオマエの目の前で死にたい
最期に聞く声や視界に映る姿はオマエで、きっとオマエはオレの名前を呼んでくれるだろう
いつまでもずっと死ぬまでオマエの脳裏に焼き付いてオレのことしか考えられなくなる。
そうだろ?という意味も込めて右隣に座る彼女の表情を伺う。
『…え』
顔が蒼くなり、怯えたように目と口をぱちぱちさせる彼女
その恐怖に歪んだ顔さえも愛しいと思えてしまう。
「…なんてね、全部冗談。大丈夫?」
言いすぎちゃったか
安心させるように蒼くなって小刻みに震える彼女の体を優しく抱きしめる
「…“全部”冗談だよ」
参考曲 「なんてね」
夢主さんがイザナさんに「秘密にしてることある?」って聞いたのはほんの気まぐれで特に意味はございません。
イザナさんのいう「全部」はどこからどこまでのことなんでしょうか。